|尊敬できる鮨[19]|

尊敬できる鮨の名店
【すし家一柳】銀座一丁目

江戸前鮨の歴史は、師匠から弟子へと技と伝統が受け継がれ、紡がれてきました。そしてそれは平成の世となった現在も続いており、また新しい歴史が作られています。ここではそんな現在の鮨を生み出し続ける職人のみなさんをご紹介します。

贅沢シャリが勝負の決め手鮨職人が振るう名采配とは?

一度にお米を炊く理想的な量は2升、約3㎏。これを鮨業界では1本と呼びます。これだけの量を炊くと、炊きムラの少ない中心部分が増えるから、その分だけ全体の美味しさが増すのです。「すし家一柳」の鮨桶に入るのは、そんな中心部分のシャリだけ。ヒレ肉でいうシャトーブリアン、日本酒でいう大吟醸のように、ガス釜で艶やかに炊き上げたあきたこまちの最も美味しい部分を、一柳和弥さんは握ります。「米の特徴である粒感を活かすため、炊く際の水は少なめ。さらに気を使っているのが温度です。例えばトロと合わせる場合は、脂が溶けやすいように温度が高めのシャリを使用します。そして米の粒感をより楽しむことができるように、握りは厚みをつけて、ふんわりと。ある程度のサイズがなければ、口の中でほどける米の食感が半減するんですよ」。少し背の高い鮨は、米の魅力を引き出すための工夫なのです。もちろんシャリだけでなく、築地から仕入れるタネも粒ぞろい。最上級の素材を提供する際に、学生時代に野球部だった一柳さんは監督のような気分になるのだとか。「今日の仕入れならマグロが四番バッターになるのか、抑えはコハダにしようか。手元にある素材を活かすため、そんなことを考えています。板場に立つと分かるのですが、お客様次第で、その場の空気感は刻々と変わるんです。つまり常に真剣勝負。それでいてお客様には、自宅にいるかのようにくつろいでいただくのが理想なのです」

|一柳和弥さん|

銀座をはじめ、各地の名店を渡り歩きながら、良い仕事ばかりを吸収。2009年からホテル西洋銀座内にて「すし屋 真魚」を構え人気を博す。2013年にはホテルの閉館にともない移転。店名を変更し、現在の体制を築き上げた。

豊かな食感なヒラメ。だからこそシャリの粒感が活きる

温かなシャリを少し冷まし、しっかりと握るコハダ。熟成の浅い赤酢とのマッチングが素晴らしい

塩と柚子で味付けした穴子。ふんわりとしたタネとほろりと崩れるシャリのバランスが絶妙

手で微細な温度変化を感じ取りながら握る中トロ。とろける脂をお楽しみあれ!

すしや いちやなぎ

すしや いちやなぎ

住所:
東京都中央区銀座1・5・14 銀座コスミオン1F
TEL:
03・3562・7890
営業時間:
11:30 ~ 14:00、17:00 ~ 22:00 不定休

Photo:sono(bean)
Text:effec(佐藤潮、いずみかな、山田彩、荒井しんご)

※こちらの記事は2015年2月20日発行『メトロミニッツ』No.148に掲載された情報です。

更新: 2017年2月25日

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