ふるさとを思い出す家庭の味

|日本の家庭料理[14]|
一度は訪れたい郷土料理の店3軒

東京には多くの「郷土料理の店」がありますが、こちらでご紹介するのは地元の人が多く集まるお店です。東京に居ながらにして、それぞれの土地の味、空気さえも感じられる、そんな郷土料理の名店は地元でなくてもなんだか懐かしさを感じてしまうものです。

青森県八戸

|2軒目|【いちいの木】(新橋)

野菜と魚中心の滋味深い料理に八戸好きがじわじわ増えてます

手前から、せんべい汁( 700円)とホクホクと甘い焼きウニ(大 1,500円)、奥は、その日によってメニューが変わるお通し。せんべい汁は、海老にホタテ、アサリ、白菜、大根、人参、そして南部煎餅が入った食べごたえのある一杯。地酒だけでなく「ワインにも合う」と好評だそう

「青森料理というと津軽の料理を出すお店が多くて、 南部の料理を出すところは珍しいんです」と女将の三田光子さん。「いちいの木」は、三田さんが2013年9月に故郷の「八戸料理」を看板に掲げて始めたお店。 台所を囲むようにカウンターが備えられ、お客さん との会話が自然と生まれる作りになっています。席に着くとまず出てくるのは、はぐらウリの浅漬けや長芋豆腐など、手の込んだ 品の豪華なお通し。「お酒の肴だと栄養も偏りがちなので、お通しには野菜が メインの料理をお出ししています」。海産物がよく取れる八戸では、ウニも身近な食材。「ウニをアワビの貝に入れて焼いた〝焼きウニ?は、お祝いごとなどの場面で食べることが多いですが、昔は日常的に食卓に出ていた家庭料理でした」。女将が絶妙な加減で 焼きあげることで、香りと甘味が増す、こちらの名物料理です 。 ま た 、味付けしていない南部煎餅を野菜や肉、魚介類と煮た「せんべい汁」は 級グルメとして有名ですが、元々は八戸の田舎で食べられていた料理がベースとなっているそう。魚介類を使っ て塩コショウで味付けするのが三田流で、店に揃う「陸奥八仙」や「陸奥男山」、「八鶴」などの地酒とも相 性抜群。いちいの木では今日も、「昆布を薄くすいて 身欠きニシンの 出汁で炊いた『すきこぶ』がオススメ!」「じゃあそれちょうだい」という具合に、東京の人たちにも八戸の味が浸透していく光景が見られます。

八戸をはじめ青森県南部の地酒が並ぶ

女将の三田光子さんとのやり取りも、常連客の楽しみの一つ 。ちなみに「めったらだ」は青森の言葉で「美味しそうだ」の意味

いちいの木 [新橋]

住所:
東京都港区新橋4・19・10 タカソビル2F
TEL:
03・6435・8699
営業時間:
17:00?23:30 土・日・祝定休

Text: 伊藤裕、田中恵里菜
Photo:吉永和志


※こちらの記事は2014年5月20日発行『メトロミニッツ』No.139に掲載された情報です

更新: 2017年2月11日

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