「いただきます」を世界へ。未来へ。

|WASHOKU GOOD NEWS[20]|
国内外のムーブメントをお届け

日本政府は、2020年までに農林水産物や食品の輸出額を1兆円以上にすると近年輸出に力を入れていますが、その甲斐もあってか、海外のレストランや街中では日本の食材がますます身近に。一方、わさびは現地栽培、醤油は現地生産が加速しています。

国内では、和食を未来に受け継ぐための団体が数多く発足し、近年その活動が目立つようになりました。そして海外では、和食の料理人、日本の食材が大躍進を遂げ、和食文化を世界に発信し続けています。そんな和食にまつわるグッドニュースや明るいトレンドを厳選してご紹介します。

ゆず、わさび、梅干し、醤油食材&調味料も世界へ!

ドリンクにも料理にも!世界のゆずアレンジ

YUZU

ゆずと言うと、フランスでの人気が話題にされることが多いのですが、今やオーストラリアやイギリスにも広まっています。カクテルにしたり、ドレッシング感覚で使ったりと様々なアレンジが楽しまれています。

【オーストラリア】

ここ数年、マイルドな酸味を加えるゆずが魚料理などの香り付けとして使われるようになり、「YUZUと言えば日本のシトラス」というコンセプトが豪州で定着してきました。バーでは、ゆずとジンのカクテルや「柚子スラッシー」というフローズンドリンクが人気です。

【イギリス】

写真提供/Bonhams Restaurant

大手高級スーパーではゆずの絞り汁の小瓶が棚に並び、バーではゆず酒を使ったカクテルが人気です。また、「ゆずはアロマティックでシャープな酸を持ち、様々な食材に合う」と語るのは、ミシュラン一ツ星を冠するロンドンの「ボナムズ・レストラン」ヘッドシェフ、トム・ケンブル氏。写真はお店で供されている「カツオのユズ&オリーブオイル・ドレッシング掛け」。

海外での本物の生わさびを現地でわさび栽培が加速

WASABI

和食人気にともない、海外のわさび需要が増加する中、オーストラリア、イギリス、カナダでは、現地でわさび栽培が行われています。こうした質の高いわさびが、本物志向を求める高級レストランへの供給されているのです。

【オーストラリア】

世界一空気と水がきれいと言われるタスマニアで作られたワサビは、シドニーの名店「テツヤズ」の和久田哲也氏も愛用。爽快なフレッシュ感があり、看板メニューの「オーシャントラウトのコンフィ」にも、生わさびをりんごの細切りと混ぜて海マスに添えています。

【イギリス】

写真提供/The Wasabi Company

英南部ハンプシャー州で本わさびの栽培が注目を集めています。「ミネラルを豊富に含んだクリーンな地下水を利用して、元々クレソンの水耕栽培をしていた沢を使い、2010年からわさびに挑戦しました」と語るのはワサビ・カンパニーのオーナー、ジョー・オールド氏。試行錯誤を重ね2014年には質の高いわさびを収穫することに成功、今では世界のファインダイニングが顧客です。

梅干しの酸味と塩味が受け入れられるように

UMEBOSHI

梅干しの酸っぱさは、なかなか世界では受け入れられないのではという印象がありますが、最近では、その酸味と塩味がうまく取り入れ始められているようです。また、梅酒も日本のリキュールとして、香港、台湾などのアジアを中心に輸出が拡大しています。

【オーストラリア】

シドニーの和食ブームを反映し、梅酒とともに梅干しが和食店でよく見かけるようになりました。最近では、オーガニック食材店の棚に並ぶように。大抵、ピュレー状のものと種入りのものが売られています。あの独特の酸っぱさが食欲をそそり、豆腐やご飯に合うと好評です。2016年1月5日付けの「シドニー・モーニング・ヘラルド」紙の食の欄では、コールスローに一捻り加えたレシピに梅干しのピュレーが一役買っています。有名シェフ、カレン・マルティーニさんによるレシピで、彼女は「梅干しの塩味と酸味が好き。ドレッシングやソースの味を調整するために加える」と語っています。

20年で約4倍の海外醤油生産グルテンフリーのたまり醤油も

※醤油の海外生産量は、日本企業の海外工場生産量 出典:醤油の海外生産量は、日本醤油協会調査(一部推計を含む)による。醤油の輸出量は、財務省貿易統計

SHOYU

【アメリカ】

1990年、約5万klであった海外での醤油の生産量は、2011年には約20万klと、約4倍にも伸びています。中でも多くを生産・消費するアメリカでは、今、丸大豆100%の「たまりじょうゆ」が人気です。その名も「TAMARI」(写真)。販売するのは、アメリカに工場を持つ、三重県の老舗醤油メーカーサンジルシ醸造(San-J)です。一般的な、醤油が原料として小麦と大豆を約半々で用いるのに対し、「TAMARI」は小麦を使わず、丸大豆100%で造るため、グルテンフリー需要と合致。最近では、「TAMARI」と聞いただけで体に優しいソイソースと認識する顧客が多くなっているそうです。

Text:浅井直子、長谷川ゆか、ギャニベイ阿希子

※こちらの記事は2016年2月20日発行『メトロミニッツ』No.160掲載された情報です。

更新: 2017年4月10日

この記事が気に入ったら
「シェア」しよう

最後までお読みいただき、ありがとうございます

pagetop