|地中海料理という、暮らし方。[18]|

地中海出身のシェフ&オーナーに訊く!現地での暮らしと食生活

現地出身のシェフ&オーナーに、地中海での食生活や、暮らしを教えてもらいました。そこで生まれたお料理と一緒に、地中海式生活を想像してみてください。

イタリア料理|半蔵門・麹町 Elio Locanda Italiana|ジェルマーノ・オルサーラ エグゼクティブ シェフ

Germano Orsara/イタリア・チェトラーロ出身。1970年生まれ。ホテル調理スタッフ資格・ホテル運営技術免許の取得後、コセンツァで修業を重ね、90年よりミラノのホテルで総料理長を務める。93年に来日し、「Bella Vista」のシェフを経て、96年12月のオープン当初より「エリオ ロカンダ イタリアーナ」総料理長として活躍。

家畜の豚や庭に生える唐辛子を使ってサラミを家庭で手作り

イタリア南西部・カラブリア州が故郷のジェルマーノさんが作る料理は、ロカンダ(宿付きレストラン)を経営していた祖母の味が原点。海と山に囲まれたカラブリアは唐辛子の名産地で、豚を余すところなく使います。「唐辛子は庭から摘んできて使うんだ。父が海で獲ってきたシーフードもよく食べたし、家では豚を飼ってた。豚肉料理の中でもサラミは食前のつまみによく出ていて、この"ンドゥーヤ"(豚バラ肉や唐辛子などを使ったペースト状のサラミ)も代々同じ作り方。食事は家族で食べて日曜に友達が集まると、各家庭の手作りサラミを持ち寄ってみんなで食べていたよ」。北海道の自社工場でカラブリア出身の職人が作るチーズを使うなど、素材からこだわったカラブリア伝統の味がここにあります。

右/リクリッシュのムース アーモンドとピスタチオのタルト650円? 左/手打ちパスタ キタッラ 自家製のンドゥーヤ1,850円は、写真奥の手作りサラミと自社工場で作るリコッタチーズを使用

エリオ ロカンダ イタリアーナ
03・3239・6771 東京都千代田区麹町2・5・2 半蔵門ハウス1F
11:45?14:15LO/17:45?22:15LO 日定休

スペイン料理|恵比寿 Fonda Sant Jordi|ジョルディ・ウリベ・トゥルネ オーナー シェフ

Jordi Oliver i Turne/スペイン・カタルーニャ出身。1976年生まれ。料理専門学校卒業後、ホテルや郷土料理店など数店で経験を積んで来日。04年より「ティオ・ダンジョウ」、「レストラン サンパウ」などで活躍。ダンジョウ氏より「ティオ・ダンジョウ」を託されて独立し、14年6月、「フォンダ・サン・ジョルディ」としてリニューアルオープン。

ナッツを多彩に使った料理をランチも家族全員で愉しむ

カタルーニャの地中海沿岸で育ったジョルディさん。毎日の食卓には、旬の魚介と野菜、パスタや米が出る時も常にパンがあったそう。山海の幸が豊富な土地柄、魚介と肉を組み合わせる料理も多く、味のポイントにアーモンドや松の実などのナッツをよく使います。「ナッツはそのまま食べたり、サラダに入れたり、ペーストにした"ピカーダ"を料理に加えたりする。食事は家族全員が基本でランチも家に帰ってきてみんなで食べるよ。それからシエスタ。30?40分ソファーで寝るんだ。普段は簡単な料理が多いけど、休日やイベントには手のかかる料理を作る。パエリアはその筆頭だよ」。ゲストの9割が注文する写真のパエリアにもピカーダが使われ、たっぷりの魚介と鶏肉入り。カタルーニャの知恵が結集した逸品です。

右/ミックスパエリア1人前2,600円(1人前で2人分が目安。写真は3人前)。鯛のだしや自家製ソフリットも使用 左/サルピコン デ マリスコス(魚介のマリネ)小800円

フォンダ・サン・ジョルディ
03・5420・0747 東京都渋谷区恵比寿1・12・5 萩原ビル3・2F
月?水17:30?23:00(22:00LO)、木?土 ?24:00(23:00LO) 日定休

ギリシャ料理|日本大通り・関内 OLYMPIA|ジョージ・マルケジーニス オーナー

George Markezinis/ギリシャ・イオニア諸島レフカダ島出身。18歳から船乗りとして10年間活躍した後、1960年に初来日。70年より横浜に住み、鎌倉街道に船乗り向けの店を出店する。その後、「ギリシャのバーの雰囲気とギリシャ料理を知ってほしい」と、85年オープンのギリシャ料理&バー「ATHENS」、01年オープンのショットバー「ZORBA」、05年オープンのギリシャ料理店「OLYMPIA」の3店舗を運営。食材は自身で可能な限り現地から直輸入している。

豊かな大自然の島ならではの多彩な食材を活かした食生活

「島にはすべての素材があった」と話すジョージさんはレフカダ島育ち。とれたての魚介、羊・豚・牛・鶏の肉、野菜や果物といった旬の素材をオリーブオイルやレモン、トマト、ハーブなどでシンプルに調理し、家族で食卓を囲んでいたそう。「子どもの頃は海で鯛やイワシを釣ったり、タコを獲ったり。うちは羊と豚、鶏を飼っていて、羊の肉が一番好きだった。オリーブオイルは家でオリーブを搾って作るんだ。毎日必ず食べるフェタ(ヤギの乳で作るチーズ)やパンも自家製だったよ」とのこと。ギリシャ料理と言えばムサカ(ひき肉とジャガイモ、ナス、ホワイトソースの重ね焼き)が有名ですが、家庭ではパスタを使って比較的簡単に作れるパスティチョが定番とか。現地そのままの美味を堪能できる、貴重な一軒です。

右/ラムチャップ(骨付き仔羊肉のグリル)1,944 円。店内にはギリシャで買い付けた絵画やレリーフが並ぶ 左/パスティチョ(マカロニとひき肉とホワイトソースの重ね焼 き)1,404円

オリンピア
045・662・9115 神奈川県横浜市中区太田町2・30 みどりビル1F
17:00?24:00(23:00LO)  日定休(連休の場合は最終日)

モロッコ料理|六本木 Le Maghreb Chandelier|リフキー・M・ヒシャム オーナーシェフ

Rifki M Hicham/モロッコ・カサブランカ出身。モロッコ料理を通じてモロッコの情報と文化を普及させる拠点として 2002年に「ルマグレブ」、11年に「ルマグレブ シャンデリア」を オープン。日本とモロッコの輸入業にも携わり、大使館や企業主催のイベントなどを企画・運営するビジネスコンサルタントとしても活躍。06年より料理教室も主宰。

食事は大勢で野菜をたっぷりお昼はのんびりがモロッコ流

「モロッコは野菜が育ちやすい気候で、野菜が一番安い。オリーブオイルにレモンやコリアンダーなどを加えたモロッコドレッシングでサラダにしたり、煮込んでラタトゥイユにしたり、野菜から出る蒸気を循環させて蒸すタジン鍋にも欠かせない」とリフキーさん。タジン鍋はモロッコ人が毎日のように食べる煮込み料理で、火が通りやすいひき肉とトマトを使った写真のタジン鍋は、急な来客にも20分で出せる家庭の定番。食事は大勢で食べるのが習慣で、中でもランチはゆっくりと時間を作るのがモロッコ流。毎週金曜日はイスラム教の集団礼拝がある日で、クスクスを大皿いっぱいに作ってみんなで集まって食べるのが恒例だそう。ハーブやスパイスの使い方が繊細で、どの料理も舌に優しい味わいです。

右/牛100%ミートボールとトマトソー ス、卵、ピーマンのタジン鍋煮込み2,100円 左/3種類のモロッコサラダの盛合せと自家製のモロッコド レッシング2,100円

ルマグレブ シャンデリア
03・3478・1270 東京都港区西麻布1・12・5 山武霞町ビ ル1F
11:30?15:00/17:30?23:30(23:00LO)、土日祝 11:30?23:30(23:00LO)月曜のランチ定休

Photo:近藤信也 Text:松本典子

※こちらの記事は2015年5月20日発行『メトロミニッツ』No.151に掲載された情報です。

更新: 2017年2月8日

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