|オリーブオイルと一緒に暮らそう[12]|

ーラベルの読み方、味わい方ー
オリーブオイルを買う時のための
もう1歩ふみ込んだ知識

オリーブオイル特集もいよいよ終盤戦。ここからは「オリーブオイルを買う」をテーマにお届けします。でも、買う前の心得やもう少し知っておきたいことは何でしょうか?日本オリーブ協会会員でオリーブオイルテイスターの板橋律子さんに話をお聞きしました。

「オリーブオイルを選ぶ際に、まず思い描いていただきたいことは、中身の味わいのこと」。買う前の心得として、オリーブオイルテイスターの板橋律子さんにまずお聞きしたことは、オリーブオイルの味わいには3タイプあるというお話でした。「3タイプとは、マイルド、ミディアム、ストロング。その差は、オリーブの品種はもちろんですが、栽培から製造方法によって発生します。例えば、温暖な環境で栽培されたもの、熟した実を使用したこと、などの要因があれば、マイルドな味わいとなる傾向があります」。一方、厳しい環境で栽培されたり、苦い実を使用するなど、マイルドの各要因が逆転すれば、味わいはストロングな方向に。苦みや辛みの風味が強い、スパイシーな口当たりのオイルとなっていきます。なお、苦み辛みはオイルの個性とも言えるもので、ポリフェノールやビタミンA、Eなどの微量成分(抗酸化成分)が多く含まれるということにもつながるのだと言います。「味わいのタイプは、オイルをどのような用途で求めるのか?によって、使い分けてみてください。マイルドなオイルとマッチする料理とは、白身魚や卵料理などといった、やわらかく繊細な味わいを持つ食材や料理です。ストロングに合うのは、肉料理やスパイスやハーブをふんだんに使った料理など。オリーブオイルと料理は、似た方向性の味わい同士を組み合わせることで、美味しさの相乗効果が生まれるのです。また、ミディアムは味が極端に振れることのない、万能タイプとして位置付けられます」。しかし、お店にオイルを買いに行き、ボトルを見て、味わいのタイプまではわかるものでしょうか?「ボトルを手に取ると、ついつい読みやすい日本語のラベルだけを見てしまいがちですが、生産者が貼ったラベルを見るとわかることもあります。もちろん現地の言語で書かれていますが、実はたくさんの情報が書かれているのです(右ページ参照)。中には、オイルの成分、生産過程から、生産者がどんな人か?まで想像できる情報も。例えば、イタリア語のラベルに英語表記もあった場合、生産者は英語圏の国への輸出を視野に入れて作っていることが考えられます。おそらく大農園なのでしょうね」と板橋さん。なるほど、もしそこまで自分で読み解けるようになれば、オリーブオイル選びはもっと楽しくなりそうです。しかし、今、私たちができる一歩はまず買ってみること。そしてこれから先、日々の暮らしの中で、たくさんのオリーブオイルとの出合いと別れを繰り返しているうちに、より上手な付き合い方がきっと見つかるはずです。

このオイルのラベルを拝見

オリオ・デル・カルディナーレ
イタリア、ルイジ・テーガによって生産。手摘みされたモライオーロ種、レッチーノ種、フラントイオ種がブレンドされている。香りと苦み、辛味のバランスが良い。3,240円(500ml)
【問】アビコ 03・5771・7223

ボトルのラベルから読み解けること

日本の場合は異なりますが、国際オリーブ理事会(IOC)に加盟している国々やECには厳しい表記義務があります。その義務に則った細かい情報は、すべてラベルに書かれています。また義務ではないものの、規定に準じて、搾油方法、品種名の他に、生産者のこだわりを伝えるための文章が書かれている場合も。ラベルには、生産者の想いやセンスも表れているものなのです。

ラベルをじっくり見てみよう!

イタリア語がわからなくても、頑張れば読み解ける見つけてみたいキーワード

27°C以下で搾油した証
Estrattoa Freddo
国際オリーブ理事会規定の27°C以下での搾油を行う「コールドプレス製法」(低温圧搾)を採用したオイルの証明。オイルの劣化を防止するためには、温度管理が不可欠です。さらに日本語のラベル内に「温度管理(リーファー)コンテナ輸送品」とあれば、輸送時も温度管理がされたオリーブオイルということになります。

落とし穴がある「生産国」
Prodotto in Italia
「生産国:イタリア」という意味で、オリーブの栽培から、オイルの瓶詰め、製品化もイタリアで行われたことを指します。「ImbottigliatodaItalia」とあれば、瓶詰めした場所がイタリアという意味。オリーブの実やオイルは別の土地で作られ、イタリアまで運ばれてきて製品化されたことを示しています。

上質なオイルの称号
Olio Extravergine Di Oliva
エクストラヴァージン・オリーブオイルのこと。やはり真っ先に確認すべきは、この文字です。また、EUが特産品名の誤用・盗用を防止するために規定した「正しく製造された製品を保証するための表記は、「DOP」(原産地名称保護制度)や「IGP」(地域保護表示)など。「DaAgricolturaBiologica」とあれば有機栽培のこと。

オリーブオイルと料理のマッチング

日本国内で世界基準のオリーブオイル普及をサポートする





【日本オリーブ協会】
"国際オリーブ理事会(IOC)"と連携し、日本でのオリーブオイルに関する基準の制定を目指して活動中なのが、一般社団法人日本オリーブ協会です。今年度はプロフェッショナルな講座から一般向けセミナー、料理教室など、幅広い活動を通こてオリーブオイルの正しい知識を伝えます。会員向け季節報の予定など、最新情報はFacebookページへ!
http://www.japanolive.or.jp/
Facebook:www.facebook.com/japanolive


※IOC=InternationalOliveCounc(il国際オリーブ理事会)はEU諸国をはじめ、全44カ国が加盟する、世界最大規模のオリーブオイル機関。オリーブオイルの等級の世界基準を制定している




|オリーブオイルを買う前のマメ知識|

■オリーブオイルの香りの表現とは?
個性的で豊かな香りも、それぞれのオリーブオイルの実力。EUのオリーブオイルテイスターたちは、こんな言葉で表現すると言います。例えば、青いトマト、熟したトマト。トマトのヘタ、茎、葉。草の香り、オリーブの葉の香り。アーティチョークのつぼみ、茎。青リンゴ、青いバナナ、青いアーモンド、なす、レタス、ユーカリ、ミント、ローズマリー、バジルなど...。ちょっと香りがイメージしにくいものもありますが、良質なオリーブオイルの香りというものを何となくイメージしていただけましたでしょうか?現地のテイスターたちはこれらの香りを鼻でかぎ分けられるのです。

■ オリーブオイルの保管方法は?
「とりあえず冷蔵庫へ」は、大きな間違い。8°C以 下の環境下で保管すると、オリーブオイルが固ま り、劣化につながるのでNGです。直射日光が当たる場所も好ましくありません。オイルの酸化が進んでしまうためです。最も良いのは、13~15° ほどの冷暗所で保管すること。また、温度変化に も要注意で、なるべく一定の温度の下で管理す ることが大切です。

■オリーブオイルの消費期限は?
未開封のまま冷暗所で保存した場合でも、長くても約1年半。開栓済みの場合は2カ月ほどと言われています。どれほど優れたオリーブオイルであっても、時間の経過につれてどんどん酸化が進み、あまり身体に良いものではなくなってしまうので、もったいないと言わず、早く使いきる方が


 協力:日本オリーブオイルテイスター協会

TOMATO-ARTICHOKE-ALMOND-ROSEMARY

Photo 三浦伸一(P28) Text remix-inc.(和泉真、佐藤あみ)

※こちらの記事は2014年6月20日発行『メトロミニッツ』No.140掲載された情報です。

更新: 2017年1月30日

この記事が気に入ったら
「シェア」しよう

最後までお読みいただき、ありがとうございます

pagetop