心と体を温める、上質な時間

|東京モダンおでんキュイジーヌ[19]|最終章
これもいわばモダンおでん!? 世界のおでん的一皿

ここからは「モダンおでん」の番外編! 地域によって種をかえ出汁をかえ、同じ料理かと思うく らいに千差万別な様相を見せるおでん。ふと世界に視線を伸ばしてみれば、日本のおでんの延長 線上にあるような料理が存在し、日本で食べるそれは、ある種のモダンおでんと言えるのでは!?

おでんよどこに! 世界で愛されるおでん的一皿を探して

世界のおでん的な料理を探してみたところ、やはりアフリカや南米といった暖かい地域には鍋料理はあれどおでん的な料理は見当たらず。お隣の韓国や台湾には、植民地時代のなごりとして日本のおでんそのものが食されているようでした。そこでヨーロッパに目をむけてみると…。

フランスのポトフをはじめ、煮込み料理が発達しているからか、イタリアのボリート、スペインのコシード、ポルトガルのコジートなどなど、ありましたおでん的一皿。日本のレストランでも、これらを「イタリア風おでん」等というように、提供しているところもちらほら。

スープでもなく、鍋料理とも言えない、提供スタイルも鍋ごとテーブルへ出すところもあれば、一皿ずつタネを乗せるところも。しかも地方ごとに様々なアレンジがなされていたり。例えば、イタリアのボリートは牛肉を主とするピエモンテ発祥説と、豚肉を主とするフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア説があるとか。そんな風につかみどころがないところも、おでんっぽいじゃありませんか!

コシード[スペイン]

【ラ・ボリケア】 四谷
カスティーリャの郷土料理を
日本に合う味にひと手間加えて


一見スープのようなスペイン版おでんといえる、その名も「コシード」。ポトフにも似た料理はで、肉と野菜をじっくりと煮込んで作ります。本場のスペイン・カスティーリャ地方では、郷土料理として愛されているそう。四谷にあるスペイン料理のダイニング「ラ・ボケリア」では、そんなコシードを日本人の味覚に合うよう少しだけアレンジ。

食欲をそそるように豚肉の代わりに香ばしく焼いた鶏肉を入れ、スープにはホールトマトを加えて爽やかな口当たりに。また、体が温まるスープ仕立てですが、チキンと野菜はごろごろ。メインディッシュにワインと一緒に、残ったスープはパンと一緒に頬張って欲しい一品です。

フレンチのシェフの経験もある、料理長・石井秀尚さん 

結婚式の二次会などパーティーでも 利用できる広々とした店内。セラーには、スペイン直輸入のワインなどが30種以上

コシード(1058円)に合 わせるなら、さっぱりとした口当たりのスペインの白を。terra calida(グラス648円)

《SHOP INFO》
La Boqueria(ラ・ボケリア)
東京都新宿区四谷2-11 アシストビル 2F
03-5366-0505
ランチ【月~日】11:30~15:00(ラストオーダー.14:00)  
ディナー【月~土】17:00~22:30 (ラストオーダー.21:30)
【日・祝日】17:00~22:00 (ラストオーダー.21:00)  定休日 無休
http://www.opefac.com/boqueria/

コジート ア ポルトゲーザ[ポルトガル]

【クリスチアノ】代々木八幡
自家製の素材を煮込んで
ポルトガルの母の味を再現
「ポルトガル風煮込み」の意味の「コジードアポルトゲーザ」は、ポルトガル全土で食べられる伝統的な料理。家庭で作られるおふくろの味として現地では親しまれており、おでんのようにその土地や家庭によって煮込む具材が変わるのだそう。

ポルトガル料理店「クリスチアノ」では、牛と豚の臓物や自家製のチョリソー、ソーセージ、野菜などを鶏のスープで煮込んだ、都市部で食べられている「コジードアポルトゲーザ」がいただけます。塩のみで味つけしたと言うあっさりとしたスープをガッツリの具材とともに、赤ワインで流し込むのがポルトガル流。ボリューミィな一皿を、豪快にいただきます!

東南アジアやヨーロッパで料理を学び、2010年にクリスチアノをオープンした、佐藤幸二さん

カラフルなタイルで彩られた、活気ある店内

コジード アラ ポルトゲーザ(1,800円)は、濃厚でしっか りしたニュアンスのあるPORCA DE MURCA(ボトル4,000円)がおすすめとのこと

《SHOP INFO》
Cristiano's(クリスチアノ)
東京都渋谷区富ヶ谷1-51-10 プリティパインビル1F
03-5790-0909
[月~土] 18:00~26:00(L.O.24:00)
[日] 18:00~24:00(L.O.23:00) 定休日 月曜
http://www.cristianos.jp/

ボリート [イタリア]

【ギンダチ】銀座
豪快な肉おでん的イタリアン
グループで楽しく、つつくべし!
スタンディングワインバー「gindachi」。の一番人気のメニューが「ボリート」。「ボリートとは北イタリアの郷土料理。“ボリート”が茹でるという意味なんですが、牛、豚、鶏などの塊肉と野菜を茹でたイタリアのおでんのような存在で、『ボリート・ミスト』といわれる盛り合わせで食べることが多いですね」とは、スタッフの志田光貴さん。トマトベースで煮込まれた具材は、豚スペアリブ、ソーセージ、ジャガイモなど。「ボリュームがあるので、2人くらいでおでんをつつくように楽しむ方が多いです」。ワインはがっつりお肉に合うプーリア州のプリミティーヴォとどうぞ!

ボリートはカウンターにあるトレーから供される

スタイリッシュな空間。16時のオープンから常連 さんを中心に賑わう

ボリート・ミスト ポーク&ベジタブル(1000円)と合わせるのは、プーリア州のワイ ン。カステッラーニ・カッライア・プリミティーヴォ(ボトル3200円)

《SHOP INFO》
gindachi(ギンダチ)
東京都中央区銀座2-7-7 銀座ロビー 1F
03-3538-5322
16:00~翌3:00 定休日 日曜・祝日
http://www.zetton.co.jp/restaurant/tokyo/gindachi.php

Photo:岡本淑(ラボリケア)宮崎純一(クリスチアノ)、よねくらりょう( ギンダチ)
Text:辺戸名悟/河島マリア(GRINGO)

※こちらの記事は2015年12月20日発行『メトロミニッツ』No.146掲載された情報です。

更新: 2017年1月31日

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