東京のグルメシーンをリードする

|異彩のビストロ[14]|
[La Boucherie Goutons]人形町

東京のビストロが今、面白いことになっています。日本の有名なフランス料理店や、本場フランスに渡り、腕を磨いてきたシェフたちが営む、小所帯で、ジーンズでも行けて、仕事帰りにふらっと立ち寄れるお店が続々とオープンしているのです。一昔前はそんな輝かしい経歴を持つシェフたちはホテルやグランメゾンで料理長を務めるのが通例で、高級店でしかその腕前を堪能できませんでした。彼らにビストロを開いた理由を聞いてみると「フランス料理をもっと身近に感じてほしいから」と、口を揃えて言います。ここ数年、“コスパ”を重視した気軽なビストロが増え、私たちにとってワインやフレンチは身近になったように思えますが、彼らが言うのは伝統を踏まえ、現代の技術や食材を駆使した“本当のフランス料理”。料理と向き合う眼差しはグランメゾンのシェフと変わりません。本特集では、そんな数あるビスロトの中でも頭ひとつ抜けた、その本格的な料理や独特なスタイルで異彩を放っている、今行くべき店をご紹介します。

二人が出合ってしまった運命の豚の魅力を情熱的に伝える、豚エバンジェリスト

「うちのお客さん、誰も脂身を残さないんですよ」と、マネージャーの藤田一さんはニヤリと笑います。豚肉の脂といえば敬遠する人もいますが、こちらの脂身は、ほのかな甘みがあり、すっと口の中で溶けていくと評判。「LYB豚の脂の融点は36℃、満州豚にいたっては31℃ですから」。

「LYB豚」に「満州豚」?聞き慣れない豚は、国内で唯一、日本6大原種豚を保有している静岡「富士農場」が手がける、プレミアムな豚のこと。オーナーシェフ・郷卓也さんと、藤田さんは、同僚だった恵比寿「ル・ビストロ」時代、明らかにクオリティの高いこの豚に出合い衝撃を受け、豚料理の店を開くことを決意。

郷さんは、毎週のように生産者の下へ足を運び、以降、原種の掛け合わせの割合と味の関係など、生産者との間でフィードバックを重ねながら、豚×フレンチに取り組み中。二人は口を揃えて言います。「フランス料理のフィルターを通すことで、豚肉を身近な高級食材として見直してもらえたら」と。

BRILLIANT!! NO1

確かな技術に裏打ちされた珠玉の豚料理
食べて驚き「これが豚足!?」。8時間かけた低温火入れで、旨みがぎゅっと凝縮。ねっとりしたコラーゲンの食感に陥落する人続出の「豚足の一本丸々パン粉焼き」2,000円。すべて自家製の「お肉の盛合せ」2,000円は、リエットやパテの定番と共に、ブータンノワールのテリーヌ仕立てなど、フレンチの技法がキラリと光る1品が

BRILLIANT!! NO2

「食べごろを待つ」という考え方の熟成庫
惚れ込んだ静岡「富士農場」の豚肉は、熟成させると旨みを感じるアミノ酸が10倍になるという研究データがあるとか。「熟成ありきではなく、美味しさを追求したら自然にこうなった」そうで、氷温熟成庫で約30日間寝かせている

BRILLIANT!! NO3

豚への理解が深まる、ここは豚の学び舎
店内の黒板メニューには、「Lランドレース、Yヨークシャー、Bバークシャー、M満州豚」など、豚の原種名がずらり。よく耳にする“三元豚”は、この原種の3つの掛け合わせという意味だそう。豚への興味をかき立てるきっかけに

La Boucherie Goutonsラ ブーシュリー グートン

東京都中央区日本橋富沢町10・15

TEL:
03・6661・1156
営業時間:
11:30〜13:30LO、18:00〜21:30LO 日 祝定休
URL:
http://goutons.com/


※こちらの記事は2015年8月20日発行『メトロミニッツ』No.154に掲載された情報です。

更新: 2017年1月4日

この記事が気に入ったら
「シェア」しよう

最後までお読みいただき、ありがとうございます

pagetop