味も雰囲気も本場さながら!
東京で南イタリア料理を食べるならここPart03

|美味しい南イタリア[12]|
これぞ本場の味!イタリア生まれのシェフがいる店

“本物のイタリアの味を届けたい!。”東京で腕を振るうイタリア人シェフの想いは「うちのマンマのパスタが一番だよ!」と、イタリアへの旅先でよく耳にするという言葉の延長線上にあるのかもしれません。そんな自信を持って供される本物の味の裏には、遠く離れた地で再現することへの、並々ならぬ努力が隠れていました。

カラブリア

|1軒目|Elio Locanda エリオ ロカンダ イタリアーナ[麹町]

おばあちゃんの味を兄弟で再現!
扉を開ければそこはイタリア南端の地!

オーナーのエリオさんとシェフのジェルマーノさんのオルサーラ兄弟が生まれたのは、カラブリア州の中でも、温暖なリゾート地・チェトラーロ。2人のおばあちゃんはそこでロカンダ(日本の“旅籠屋”に近い)を営んでいたそう。「私は日本のおもてなしの心に祖母のロカンダの精神を感じるのです」と語るエリオさん。我が家=ロカンダを再現するなら東京でと決めるや、カラブリアでリアルに食べられている料理を提供すべく、故郷で料理人として働いていたジェルマーノさんを呼びよせました。例えば、鮮魚のグリルなら、味付けはフレッシュトマトとバジルを基本に、塩、オリーブオイルのみとシンプル。ンドゥイヤ(豚肉と唐辛子をペースト状にし熟成させたソフトサラミ)を使ったパスタはあと引く辛さで、唐辛子の名産地ならではの味わい。2人の思い出の味を再現します。「しかし、カラブリアと同じ味を作ることは難しいんです。日本の料理に慣れると、“和風”になってしまう。流されない情熱が大切なのです」とジェルマーノさん。その情熱は、食材やワインに対しても惜しむことはありません。カラブリア料理に欠かせない唐辛子や、甘草(リコリス)は本国から取り寄せ。北海道の契約農場に、イタリアから職人を送り込み、理想のリコッタチーズを作る。オリーブオイルもオリジナル。店の料理に合うワインをプロデュースすべく、カラブリア州コセンツァのワイナリーと提携…という具合に、やりすぎなくらいのこだわりが、おばあちゃんとの思い出の味を守っているのです。

オルサーラ兄弟、左がオーナーのエリオさん、右がシェフのジェルマーノさん。

甘草をつかったデザートのリクリッツァ650円は、ほろ苦くさっぱりとしていて〆にぴったり。クセになる風味が特長

料理にはオリーブや柑橘類のクレメンティーネ、現地で採れたオリジナルのオリーブオイルを使用。この日は長崎産イトヨリと熊本産アサリのソテー2,300円や、ソフトサラミのンドゥイヤを使ったパスタ1,850円を作っていただきました。

SHOP DATA
03・3239・6771
東京都千代田区麹町
2・5・2
11:45~14:15LO、17:15~22:15
LO 日定休

|イタリアンの豆知識|

イタリアには様々な業態の飲食店があります。「トラットリーア」は日常的な庶民のレストランで、伝統的な郷土料理が特徴。アンティパスト(前菜)、サラダやパスタ、リゾットなどプリモ・ピアット(主菜1皿目)、肉料理、魚料理などセコンド・ピアット(主菜2皿目)としっかり食べるのがルール。

|イタリアンの豆知識|

「リストランテ」は「トラットリーア」の高級版。「オステーリア」は「トラットリーア」よりもカジュアルないわば居酒屋。「タヴェルナ」は大衆食堂で、深夜営業の居酒屋を指すことも。「エノテーカ」はワイン販売店を指していましたが、ワインバー的なお店でつけているところもちらほら。「バール」についてはこちら!

ラッツィオ

|2軒目|Il batticuore イル バッティクオーレ[新宿]

実は修業したのはローマだけど、シェフの出身地はプーリア州。同州で生産が盛んなロゼも揃え、手打ちのオレッキエッテなど、プーリア料理をふるまうことも

ローマの味は、庶民の味方
伝統の味を守るため工夫を惜しまず

「日本の人に美味しく食べてもらうことはもちろん、ローマから来たお客さんにも“これぞローマの味!”と思ってもらいたい」と語るのは、30年ほど前に日本にやってきたシェフのフランコ・カンツォニエーレさん。ローマ流を貫き、日本ではさっとゆでた方が好まれる野菜も、伝統に倣ってしっかり火を通します。ローマは生クリームを使わない本当のカルボナーラが有名ですが、野菜もすみずみまで使い、肉も残すところない臓物料理が発達した街。食材を無駄にしない庶民の味こそローマ料理であり「仕込みにひと工夫すれば日本とイタリアの食材の違いもカバーできます」と頼もしいお言葉。だからこそサルシッチャも自家製、パスタも日替わりで手打ちするなど、手作りにこだわっているのです。

生クリームを使わず、卵とチーズ、胡椒だけで仕上げる伝統的レシピのカルボナーラ1,700円。たっぷりと入ったペコリーノチーズの塩気がワインに合う。

自家製のサルシッチャ2,200円はハーブたっぷり

SHOP DATA
03・6457・4888
東京都新宿区新宿1・4・13
11:30~14:00LO、17:30~22:00LO、土・日11:30~14:00LO、18:00~22:00LO 不定休

シチリア

|3軒目|Da Nino リストランテ ダ・ニーノ[青山]

オレンジなどの風味豊かな料理が
温かなシチリアの土地を思わせる

シチリア島の西部に位置するトラパニは、漁業が有名な港町。マグロやイワシなどが多く水揚げされます。そんな町で生まれ育ったオーナーシェフのアントニーノ・レンティーニさん、毎朝欠かさず通う築地で仕入れる魚介類をはじめ、新鮮な素材とシチリアの風土で育ったオレンジやピスタチオなどを合わせて、シチリアの調理法で料理を作り上げます。「今のシチリアでは様々な文化をフュージョンした料理が好まれる傾向にあります。でも私はトラディショナルな郷土料理がすき。遠く離れた日本だからこそ、シチリアでは忘れられつつある郷土料理を新鮮に感じてくれるという側面があります」と語るニーノさん。そんな彼のミッションに共感し、本国からのお客さんも“懐かしの味”を求めて訪れるそう。

エトナ山のふもとでとれる、香りと風味に優れているピスタチオをたっぷりソースにつかったパスタ「フィットウッチェ」3,500円

前菜の盛り合わせ3,000円は最奥から時計回りに、アランチー二、イワシのベッカフィーコ、タラバガニのパン粉焼オレンジ風味など5種。どれもオレンジやケッパーが利いている

オープンキッチンなのでニーノさんの仕事をカウンターごしにのぞけます

SHOPDATA
03・3401・9466
東京都港区南青山1・15・19グランドメゾン乃木坂1F
11:30~14:00LO、18:00~22:00LO日定休
※当日までに要予約

Photo 片桐圭、オカタ゛タカオ(ダニーノ)
Text いす゛みかな

※こちらの記事は2014年4月20日発行『メトロミニッツ』No.138に掲載された情報です。

更新: 2016年12月30日

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