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|WASHOKU GOOD NEWS[12]|
国内外のムーブメントをお届け

国内では、和食を未来に受け継ぐための団体が数多く発足し、近年その活動が目立つようになりました。そして海外では、和食の料理人、日本の食材が大躍進を遂げ、和食文化を世界に発信し続けています。そんな和食にまつわるグッドニュースや明るいトレンドを厳選してご紹介します。

O6.40名の気鋭和食料理人が全国を巡る!「和食給食応援団」

昨年11月4日、「グッドデザイン大賞」発表式のスクリーンに映し出される「和食」の文字。大賞は逃しながらも3位に入賞した「和食給食応援団」の紹介での一幕です。和食は和食でも「給食」か、とお思いの方も、参加者の顔ぶれを知れば目を丸くするはず。メンバーは「日本料理賛否両論」笠原将弘さん、「銀座小十」奥田透さん、芦屋「京料理たか木」高木一雄さんなど、日本を代表する料理人の面々。全国各地の小・中学校に通う子どもたちに、和食料理人と栄養教諭・学校栄養職員の先生が一緒になって考案した給食を提供し、食育授業を通じて和食文化の素晴らしさを学んでもらおうという事業なのです。さてこの活動、そもそもの発端は教育現場でも行政でもありません。発起人の合同会社五穀豊穣の西居豊さんは、マーケティング会社を経た後、26歳で立ち上げた会社で、農業などの第一次産業や地域の活性化の仕事を手掛けていた方。「応援団」発足のきっかけは、生産者さんと学校を訪れ、食育授業をした時のことだったそう。「いざ米農家さんと乗り込んだものの、給食で提供されるのはパンや洋食ばかり。朝ご飯も夕ご飯もパンや麺で、給食で出さない限り一週間米さえ食べない子どももいる。世界各国の名物料理を出す前に、まずは自国の食事を出すべき。これはまずいと思いました」。2011年、西居さんは注目の若手料理人である笠原さんに直接声を掛け、「応援団」の前身を発足させます。料理人の技術と心を伝え、先生たちに意識改善をしてほしくて始めた活動でしたが、続けるうちに色々なものが見えてきたそう。「実は自分が伝えたいのは食材や献立うんぬんではなく、和食の根底にある自然や文化の尊重だと分かりました。私は“だんじり”で知られる大阪・堺市出身。祭りをする中で、自然と礼儀作法やふるまい方を学びながら育ちました。和食も祭り同様、日本人が祈りや願いを込めて受け継いできたもの。素晴らしい人間性を育むものだと思います」。昨年訪れた26校はその後も継続的に和食給食を実施し、米飯提供回数の平均値がアップ。さらに「応援団」を介さずとも、独自に料理人と食育授業に取り組む学校が着々と増えつつあるなど、既に目に見える実績が。最近ではメディアにも多く取り上げられ、今年度は全国から120地域を超える実施申し込みがあったとか。確実に広がる和食給食の輪。好きな料理を聞かれた子どもたちが声を揃えて「和食!」と答える、そんな日も近いかもしれません。

合同会社五穀豊穣代表|西居豊さん

1982年大阪・堺市出身。2009年五穀豊穣を設立。2014年農林水産省と「和食給食応援団」設立。平成28年度は47都道府県すべてで和食給食訪問を行う予定。

【参加料理人からのコメント】

「日本料理賛否両論」
笠原将弘さん
ずっと関わってきた「和食給食応援団」が「グッドデザイン賞」を受賞!活動で訪問した学校の小・中学生から「将来、日本料理の道に進みたい」という心強い手紙が届いて、うれしかったです。

「日本料理雄」
佐藤雄一さん
後日先生たちが店に来て、作り方などを熱心に聞いてくれたり、定期的に和食の食育授業を設け始めた学校があるなど、和食のよさがだんだんと伝わってきた実感があります。大変ありがたいです。

参加料理人一覧

東京「六雁」秋山能久さん/岡山「お料理祥雲」秋山宜之さん/福井「馳走飯田」飯田俊彦さん/東京「銀座奥田」五十嵐大輔さん/長崎「旗松亭」上村秀和さん/岐阜「割烹御料理うを仁」臼井規郎さん/福岡「泰泉閣」上船昌幸さん/宮城「日本料理おかざき」岡崎敏彰さん/青森「ほむら」小笠原一芸さん/東京「銀座小十」奥田透さん/東京「元赤坂ながずみ」小河雅司さん/東京「鮨屋小野」小野淳平さん/東京「日本料理賛否両論」笠原将弘さん/石川「日本料理梶助」梶太郎さん/大阪「心根」片山城さん/山口「日本料理つか佐」川口順一郎さん/群馬「日本料理川畑」川畑哉さん/大阪「日本料理喜一」北野博一さん/東京「日本料理雄」佐藤雄一さん/東京「南青山とし緒」関敏雄さん/兵庫「京料理たか木」高木一雄さん/東京「御料理与志福」高橋憲治さん/神奈川「日本料理TAKEMOTO」武本賢太郎さん/広島「和ごころ田じま」田島隆史さん/岩手「御料理寺沢」寺沢勇人さん/広島「小料理はせべ」中段陽介さん/北海道「割烹旅館若松」成田正吾さん/沖縄「旬肴ひとしずく」西中薗諭さん/新潟「季節料理と地酒南天」野元真善さん/佐賀「料理屋あるところ」平河直さん/北海道「川甚本店」本間勇司さん/岡山「旬菜ふじ田」藤田耕平さん/福岡「御料理まつ山」松山相三さん/京都「ごだん宮ざわ」宮澤政人さん/大阪「お料理宮本」宮本幸代さん/大阪「お料理宮本」宮本大介さん/東京「鈴なり」村田明彦さん/東京「なすび亭」吉岡英尋さん/岩手「日本料理旬菜和田」和田大地さん/福島「美味いもん屋わ多なべ」渡邉達也さん

Text:唐澤理恵 Photo:松園多聞


※こちらの記事は2016年2月20日発行『メトロミニッツ』No.160掲載された情報です。

更新: 2016年12月18日

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