Mamma mia! Che buono!!!

|美味しい南イタリア[11]|
味も雰囲気も本場さながら!
東京で南イタリア料理を食べるならここPart02

今や東京には、現地に行かずとも本場の味を体験できるお店が多数存在しています。各州ごとに異なる個性豊かな食文化や、自然が与えてくれる力強い旨さを持った食材、そしてその土地ならではの空気や、人々の陽気さ。ここで紹介するシェフたちは、かの地で存分に味わって、楽しんで、東京にそのエッセンスを持ってきてくれました。だからどのお店も、それぞれの州への愛、溢れてます。

サルディーニャ

|4軒目|S'apposentu di aki サポセントゥ ディ アキ[築地]

サルディーニャの素朴な伝統料理を
華麗な1皿で表現!

板前の父を持ち、和食中心で育ったオーナーシェフ・木村彰博さん。未知の料理への興味からイタリアンの世界に飛び込むと、その奥深さに気付き、やがてフィレンツエ、ミラノを経てサルディーニャ島へ修業に渡ります。「それまでに学んだどの街の料理よりも素朴でした。アラブや北アフリカの食文化に影響を受けた、個性的な料理も魅力的で」。そう語る木村さんが“今までで一番美味しい肉”と感じたのが、現地で食べた乳飲み子豚の丸焼きです。サルディーニャではお祝い事や来客時などに食す伝統料理で、木村さんにとっては友人宅を訪れた際の思い出の味。「サポセントゥ ディ アキ」では、その表面のパリッと感を再現するため、約30分間じっくり皮面を焼きます。サルディーニャでの感動を、丁寧に表現した逸品です。

お任せコース(4,860円~)の1品、乳飲み子豚のローストカンノナウソース

こちらもお任せコースの1品、サルディーニャの伝統菓子のセアダス。中は柑橘の皮を混ぜたペコリーノチーズで、苦味のある洋コケモモの蜂蜜をかけて食べる

木村彰博シェフ。皿に盛っているのは、セモリナ粉で作ったニョッキ状の伝統的なパスタ“マッロレッドゥス”

SHOP DATA
03・3542・5880
東京都中央区築地1・3・6 前田ビル1階
11:30~14:00LO、18:00~22:00LO 月定休

プーリア

|5軒目|CORTESIA リストランテ コルテージア[表参道]

食べる人も、作る人も
プーリアの素材を素直に楽しむ店
“素材が美味しければ、余計なことはするな”。江部敏史シェフの料理の指針は、プーリアでの修業時代に諭された師匠からの言葉。「たとえば前菜に並べた生シラスは、塩とオリーブオイルのみの味付けです。また牛乳を使ったカチョカバロチーズは、エビと合わせて食べるだけで風味が丸まり美味しくなる。プーリアでは庶民の料理の中に、山海の恵みを最高の味で食すための様々な知恵を感じました」。素材が料理の命なだけに、時には5種類ものプーリア産エクストラバージンオイルを揃えるなど、それぞれの味を生かすための研究の手を休めません。だから斬新な味付けなど「余計なこと」をせずとも、質の高い料理が完成する。「料理をしながら鼻歌を歌ってもいい。でも、素材を引き立てる瞬間だけは真剣そのものです」。

シェフおまかせアンティパスト“プーリアスタイル”(2名2,600円)。江部さんは海辺の街・ターラントなどで修業。同じ州でも山側と海側で使う食材は異なる

ドライイチジクのジェラート(650円)は、イチジクの濃厚な旨みが凝縮。素材はプーリアの友人の農園から仕入れる

江部敏史シェフ。プーリアで、肩肘張らずに料理を作る楽しみを教わったそう

|イタリアンの豆知識|

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南イタリアの料理に欠かせないトマトですが、白いシャツの天敵であることは周知のところかと。「ナプキンを襟に引っ掛けて金太郎スタイルになりたい!」という気持ちは世界共通。日本で教えられるテーブルマナーにおいてはNGですが、イタリアでは紳士淑女もこのスタイル。普段は膝の上、パスタが出たら金太郎でVa bene(OK)!!

|6軒目|Antichi Sapori アンティキ・サポーリ[広尾]

プーリアの前菜セット(8品~2,376円)。山側のモンテグロッソの食は野菜や肉中心。茶褐色のフォカッチャに使用する焦がし小麦は、この村の周辺にしかないもの

プーリアの心が隅々に宿る
幸せの太っ腹リストランテ

プーリア州中部の村、モンテグロッソ。この、わずか20世帯ほどの小さな町に実在するオステリアを再現したのがこちら。コース料理を注文すると、前菜が次々に運ばれ、約10種類がテーブルに。その後もパスタや数種のデザートが供され、自家製の食後酒は飲み放題。それで5000円程度というから太っ腹!「プーリアはかつて貧しい州でした。でも肥沃な土壌に恵まれ食材は豊富。だからこそ、前菜からお腹一杯になってもらう精神が根付いています。現地で“こんなに食べられない”と言うと、“それがいいんだよ!”と返される(笑)」。そう語る山崎大輔料理長は、料理人として舌を磨くため、南イタリアで評判のレストランを巡るうち、暖簾分けしてもらうに至った「アンティキ・サポーリ」に出合いました。この店で印象的だったのは、フレッシュチーズのスカモルツァと野菜を合わせ、スフレのように焼いた温菜“スフォルマート”(左上の写真、左の白い皿)がひと皿目に出たこと。「前菜の一品目は冷菜が一般的なので驚きました。こちらのシェフ曰く、プーリアではどの料理にもオリーブオイルをかけるので、まず温菜と合わせてオイルの香りを立たせ、口をその風味に慣らしてから食事を始めると良いそうです。オリーブの名産地だからこそ、シェフは最高の食べ方を知っていたのかも」。山崎さんは、次々に並ぶ滋味深い料理に感動し、ぜひこの店で働きたいと交渉。シェフとして迎えられ、多くのことを学んだのだそう。そうして今日も、「もう食べられない!」ほどの料理を、飾らず気取らず提供しています。

山崎大輔料理長。内装にまでこだわり、床、梁までもプーリア産に!

左下/自家製オレッキエッテたくさんの旬なお野菜をいれたチャンボッテッラ(1,857円)。セモリナ粉のパスタ“オレッキエッテ”は毎日手作り

リコッタチーズをアーモンドのペーストで包んだ“カッサータ”(ドルチェセット4品~1,339円)。自家製の食後酒はリモンチェッロなど3種!

|イタリアンの豆知識|

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「パスタ、ピッツァと言えばタバスコ!」。これはアメリカにおけるイタリア料理カルチャーが日本に輸入されたもので、イタリアにはない食べ方。ましてやナポリのピッツェリアでは、ほとんどタバスコは置いておらず、代わりに唐辛子をつけたオリーブオイルがあるところも。考えてみればタバスコはアメリカ生まれの調味料ですものね。


更新: 2016年12月23日

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