体にやさしいお惣菜が色とりどり !

|日本の家庭料理[12]|
おばんざいの店【青屋】中目黒

今や、すっかり定着した感のある「おばんざい」という言葉。 作り手として、おばんざいを提供する際、 そこにはどんな思いが込められているのでしょう。 一軒家のおばんざい料理のお店として知られる「青家」オーナーの青山有紀さんに、お話をうかがってみました。

青山有紀さん

京都市出身。美容業界を経て2005年、中目黒に「青家」をオープン。母から受け継がれた京都のおばんざいと韓国家庭料理を提供すると共に、美容と薬膳の知識を生かしたスイーツなども開発。『忙しい人でもおいしく作れる夜ごはん』『青山有紀のおばんざい弁当』など、レシピ本も多数。

家族のために愛情を込める。それが青家のおばんざいの原点

おばんざいのお店「青家」のメニューに 並ぶのは、「京お揚げとすき昆布炒め」 「だし巻き卵」など、どこか懐かしさが 漂うものばかり。代表・青山有紀さんの 味のベースは、生まれ育った京都で慣れ 親しんできたおばんざいです。 「お店でお出ししているおばんざいは特 別なものではなく、昔から母が作ってく れたごく普通の料理なんです」 もともと「おばんざい」は、漢字をあ てると「お番菜」という説があるそうで、 例えば、番茶が「普段のお茶」を指すよ うに「番」とは「普段の、いつもの」という 意味。そう、「お番菜」とは「普段のおか ず」のこと。料理上手なお母様を始め、 食にこだわるご家族に囲まれてきた青 山さんにとって、「食は体にも心にも大 切なもの」という意識が芽生えたのは自 然なことでした。2010年には国際 中医薬膳資格を取得し、メニューには 薬膳の考えもさりげなく息づいています。 「おばんざいは季節感を大事にする料 理なので、薬膳の考え方も寄り添いや すいんです。例えば、梅雨の季節が近 づいて湿度が上がってくると、気になる のがむくみ。それなら利尿作用のある えんどう豆をメニューに取り入れようか な、と考えたりします」 さらに、単に健康面だけでなく、食 材や食べる人を大切に思う気の巡りも 意識しているそう。 「食材は、旬の京野菜や無農薬の大豆、 抹茶やきなこも京都から取り寄せてい ます。生産者の方から〝筍が美味しく なってきたよ?など、情報を教えても らうことも多いですね。心を込めて作 られた食材にはエネルギーが詰まってい る。受け取った私たちも食べた人に元気 になってほしいと願いを込めて、今度は その料理を食べた方が笑顔になる。振 り返ってみると、母が作ってくれた愛情 たっぷりのおばんざいを食べるというこ とは、同時に母が込めてくれた想いも 食べるということだったんですよね」 「おばんざい」というひらがな5文字に 私たちが自然と惹きつけられ、ふわっと 温かな気持ちになれる理由がわかったよ うな気がします。

ゆったり流れる青家時間。旬の食材をていねいに味わう

お店へと続くひっそりした路地を通って、迎えて くれるのは落ち着いた佇まいの一軒家。一歩足 を踏み入れると、京おばんざい屋さんらしく、そ こにはゆったりした時間が流れています。ランチ メニューは日替わりのおばんざいや、和牛と地 鶏で出汁をとり蒸した国産大豆をすりおろして上 品な辛さに仕上げた辛鍋、厳選素材のパフェや わらびもちなどのスイーツも。中でもおばんざい 定食は、ベテラン主婦に人気。「私の母と同じ世 代の主婦の方たちは、美味しくするためのひと 手間や何種類も作る大変さを痛感していらっ しゃるので、とても喜んでくださるんです」。料理 は旬の素材の味ありきで作るため、毎日、青山 さんや青山さんのお母様が味をチェック。夜は 紹介制となりますが、ランチでは滋味あふれる 定食&スイーツや、同じ通りにあるもう一軒の「青 家のとなり」ではスイーツのテイクアウトも可能。 体にも心にもやさしく沁みる食べ飽きないごはん が、今日も青家で待っています。

日替わりのおばんざい7~8種類に青家オリジナルブレンドの五穀米や汁ものをセットにした「京おばんざい薬膳定食」1,512円。この日のメインはしっとりした蒸し鶏の香味ソースがけ。野菜もしっかりとれるバランスのよさは、ベテラン主婦から男性まで、世代や性別を問わず幅広い層に好評だそう 

ほっとひと息つけるシックな店内 写真上から3段目左)ぷるぷる食感の「青家名物手作りわらびもち」は毎朝お店で手作り540円

京野菜や京ゆばなど京都から取り寄せた食材が中心の黒板メニューには、日替わりのおばんざいが並びます。

青屋あおあ

青屋

住所:
東京都目黒区青葉台1・15・10
TEL:
03・3464・1615
営業時間:
11:30~17:00LO、18:30~22:30LO (夜は紹介制)月定休
URL:
http://www.aoya-nakameguro.com/

Photo 後藤武浩 Text 浅井直子

※こちらの記事は2014年5月20日発行『メトロミニッツ』No.139に掲載された情報です

更新: 2017年1月8日

この記事が気に入ったら
「シェア」しよう

最後までお読みいただき、ありがとうございます

pagetop