Mamma mia! Che buono!!!

|美味しい南イタリア[10]|
味も雰囲気も本場さながら!
東京で南イタリア料理を食べるならここPart01

今や東京には、現地に行かずとも本場の味を体験できるお店が多数存在しています。各州ごとに異なる個性豊かな食文化や、自然が与えてくれる力強い旨さを持った食材、そしてその土地ならではの空気や、人々の陽気さ。ここで紹介するシェフたちは、かの地で存分に味わって、楽しんで、東京にそのエッセンスを持ってきてくれました。だからどのお店も、それぞれの州への愛、溢れてます。

カンパーニャ

|一軒目|La Scogliera ラ・スコリエーラ[赤坂]

選りすぐりの魚介を最高の食べ頃で!
ソレント半島の名店の味がここに

ティレニア海に面したいわゆる片田舎の漁村に、赤坂「ラ・スコリエーラ」に多大なる影響を与えた店があります。それはリストランテ「ロ・スコーリオ」。夏にはカプリ島やアマルフィから、クルーザーに乗ったセレブたちが海パン姿で訪れ、魚介をふんだんに使用した料理と地元のワインをガブガブと楽しむ店。そんな辺境の名店に惚れ込んだのが「ラ・スコリエーラ」をプロデュースした深澤菜月さんでした。かつて料理記者として、イタリア中を飛び回っていた際、知人の紹介でこの店を訪れてゾッコン。素材への徹底した哲学を持ち、店主自ら漁をし、野菜は有機農法で育てる「ロ・スコーリオ」の魅力を再現すべく、八丈島で漁師をしているオーナーの服部優希さんと共に、この店を立ち上げました。こちらの看板メニューの1つはアクアパッツァ。「ロ・スコーリオがある村、マリーナ・デル・カントーネはアクアパッツァ発祥の地。漁師が船上で、魚を海水で煮たことが始まりです。今は地元でも、家庭ごとに異なる作り方をしていますが、私たちの店では本来の調理法でこの味を伝えたくて」と深澤さん。八丈島近海のミネラル豊富な海水を使い、頭と骨から旨みを引き出して、加えるのはオリーブオイルとプチトマトのみ。魚は新鮮なものを確保して寝かせ、服部さんがプロフェッショナルな技術で、最も美味しいタイミングを見極めてから料理に使います。カンパーニャの海で生まれた、海からの恵みを大胆に表現する技法をしっかりと宿したリストランテです。

写真上/本日の小皿前菜の盛り合わせ・スコリエーラスタイル(5品1,944円~)の中の一つ、ヒシコイワシの白ワインビネガー漬け。写真中/八丈島近海の海水を使った本物のアクアパッツァ(100g1080円~)写真左下/シチリア島で6年修業、内3年は魚コースのみの店でシェフを務めた魚返健児シェフ。料理、魚、そして南イタリアが大好きな気持ちを一皿にひと皿に込めています

SHOP DATA
03-3586-8989
東京都港区赤坂4-15-1 赤坂ガーデンシティB1
11:30~14:00LO、18:00~22:00LO、土・祝12:00~14:00LO、18:00~21:00LO 日定休

|イタリアンの豆知識|

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そばやラーメンに慣れてしまうと、パスタも勢い余って「ズルズルッ」と音を立ててしまいがち。実はこれ、マナー違反どころか、イタリア人にとって耐えがたい音なんだとか。「日本のそば屋に入ったイタリア人が周りのズルズル食べる音に我慢ができず店を飛びだした」なんて逸話もあるくらい。フォークで上手に巻きつけて無音を心がけましょう。

アブルッツォ

|2軒目|Gar Eden ガル・エデン[外苑前]

ごまかしなんて必要ナシ!
アブルッツォの大地が育む味

シェフの島本さつきさんがこの土地の料理に惹かれたのは、イタリアの調理学校で学んでいる時のこと。「アブルッツォ出身のシェフが、講義で羊を丸々一頭、脳みそまで使って調理したんです。アブルッツォは昔から羊の放牧が盛んで、こんな風に余すところなく味わうのは当たり前。口にすると、心底感動する美味しさでした」。シェフと交渉し、在学中に彼の店で働き始めた島本さん。素材の味を素直に表現するアブルッツォのスタイルが、自身の料理への価値観と合い喜びを感じたそう。例えば「ガル エデン」で供する「骨付き仔羊の炭火焼き」の味付けは、塩とオリーブオイルのみ。「胡椒すら使いません。シンプルに美味しくすることが目標ですから」。そんな島本さんの料理からは、アブルッツォ料理への敬意が溢れています。

写真上/前菜の盛り合わせ(2人前1,800円)の内容は日替わり。うずら豆とイタリア産の菜の花を使ったラーペ・エ・ファジョーリは島本さんの大好物。修業先のシェフのマンマがよく作ってくれたそう 写真左下/骨付き仔羊の炭火焼き(2,300円)。現地ではスコッタディート=火傷するほど熱い、と呼ばれ、手でガブリとどうぞ 写真右下/こちらのもう1つの名物・クラフトビール(650円)は常時10種前後

SHOP DATA
03-6721-1444
東京都渋谷区神宮前3-6-6
11:30~14:30LO、18:00~22:30LO、土11:30~22:30LO(土~21:00LO)火定休

バジリカータ

|3軒目|Buono オステリア・ボーノ[池尻大橋]

小さな村のマンマが教えてくれた
遠いイタリアの地と日本を繋ぐ味

こちらの島田正シェフは年に一度、バジリカータ州の山間の村、ムロ・ルカーノを訪れます。「村の住人と親交のある友人がいて、最初に行ったのが1997年。そこから街の人と親しくなって…」。今では行く度に、村一番の料理上手・フェリチェッタマンマが伝統的な家庭料理を教えてくれるそう。もともとイタリアには、辛い料理は多くありませんが、バジリカータは生の唐辛子をかじりながらパスタを食べたり、乾燥した荒い粉末状の唐辛子を料理にかけたりと、辛みのあるものを食す習慣があります。中でも珍しいのは、トマトソースと絡めた「カヴァテッリ」などのパスタに、西洋ワサビを添えること。ピリッと爽やかな辛さには、日本人なら親近感を覚えるはず。島田さんの料理は、海の向こうの人々と、心まで繋いでくれるのです。

写真右/もっちりしたカヴァテッリ(1,580円)にはペコリーノチーズをたっぷりと。また夏は非常に暑い地域ですが、ワインは赤が基本 写真左上/手前のムロ・ルカーノ村のフェリチェッタお母さんのリゾット(2,300円)は、生卵を入れて仕上げます。写真奥の、豚の耳、舌、足、胃袋のピリ辛トマト煮(1,600円)は、唐辛子が効いたパワフルな味 写真左下/島田正オーナーシェフ

SHOP DATA
03-3713-0151
東京都目黒区東山3-15-12
11:30~14:00 LO、17:30~23:00LO(土17:00~23:00LO、日17:00~22:00LO)無休

|イタリアンの豆知識|

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乾燥パスタのパッケージでよく目にする「デュラムセモリナ100%使用!」の文字。これは小麦の特定の品種を言っているのではなく、しかも英語。デュラムが「硬質小麦(グラーノ・ドゥーロ)」、セモリナが「粗挽き(セーモラ)」。つまり「粗挽きの硬質小麦を100%使用しています」ということを表しているんだとか。

Text:山田彩(エフェクト)
Photo:加藤純平
Photo:柳大輔(オステリア・ボーノ)

※こちらの記事は2014年4月20日発行『メトロミニッツ』No.138に掲載された情報です。

更新: 2016年12月16日

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