未だ見ぬ、奥深い味と香りを求めて

|メキシコの風、吹く[19]|
第三章 メキシコの風が吹く店③
東京で最もメキシコに近い店「O'tacos」

TEX-MEX、伝統的なメキシコ料理、そしてテキーラの風を追いかけてきましたが、まだまだ知らないことばかり。というわけで、本場の文化を伝えようと奮闘しているシェフのみなさんに各地の郷土料理や、名物料理をご紹介してもらいながら、メキシコのさらなる深淵へとご案内いたします。

新橋/O'tacos

新橋の路地裏がメキシコに?“パストール”が名物のタケリア

軒先の看板の光が並ぶ路地、ひしめく店々から漏れるにぎやかな声。聞こえてくる「サルー(乾杯)!」の掛け声とくれば、ここはメキシコシティの屋台街…?いえいえ、実は新橋駅にほど近い、昔ながらの居酒屋エリアでして、個性的な外観と陽気な雰囲気で目を引くこの店が、本格タコスが楽しめる「オー!タコス」。ちなみに「タケリア」はタコス屋さんのこと。巨大な肉の塊が刺さった回転式グリルが、店の外からでも目立ちます。“ドネルケバブ”さながら、焼き上げた豚肉を、とうもろし粉から手作りしたトルティージャで包む「タコス・パストール」は、現在では本場屋台の主流のスタイルで、これぞメキシコ国民のソウルフード。元々アメリカ西海岸に住んでいたオーナーの川上“カルロス”義貴さんは、親しい友人の母国であったメキシコに惚れ込み、現地の屋台で食べまくってタコスを研究したのだとか。経営母体がメキシコ食材の輸入販売やテキーラバーの運営もしているとあって、他ではお目にかかれないテキーラやメスカル、カカオ発祥の地メキシコならではのチョコレートドリンク「チョコラテ」など珍しいものも。「店名についている『オー!』には、『美味しい!』とか『知らなかった!楽しい!』と思ってほしいという気持ちを込めました。食を通じて、現地のカルチャーを紹介したり、人脈を繋げていきたい」。そう語りつつ、到着した仲間と早速「サルー!」と乾杯するカルロスさん。飲んで食べて、気付いたら隣の人と仲良くなっている…、そんなラテンなスタイルがしっくりくる、“新橋のメキシコ”と呼びたい場所なのです。

トマトにチポトレ(燻製させた唐辛子)やスパイスなどを加えた特製マリネ液に豚の塊肉を漬け込み、スライスした玉ねぎ、パイナップルと一緒に串刺しにして焼き上げた「タコス・パストール」は400円。他にビーフやチキンなども選べます。

各地のメキシコ料理店で腕を振るったスタッフが作る料理は、タコス以外も本場同様の味わい。長居する人もいれば、さっと食べて立ち去る常連客も。大勢の人が思い思いに過ごす自由な空気が心地良い。50種以上揃うテキーラは1杯500円から、マヤの時代から飲まれているという「チョコラテ」(写真下)は400円。

オータコス

TEL:03・5425・1905
住所:東京都港区新橋3・14・1 KAZUMIビル1F
営業時間:17:00~翌3:30LO 日・祝定休

Text:唐澤理恵
Photo:加藤純平

※こちらの記事は2015年6月20日発行『メトロミニッツ』No.152に掲載された情報です。

更新: 2017年2月3日

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