エレガントでロマンのある

|羊肉の饗宴[13]|
羊料理の魅力を味わえる店⑨
おいしいよりうまい!と言わせる店「mesebaba」

ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカ、アメリカ、そしてオーストラリアやニュージーランドまで、世界各地で愛されている羊肉。日本の羊肉料理と言えば、確かにジンギスカンくらいかもしれませんが、今、東京をめぐってみれば、これだけ素晴しい羊肉料理の数々に出合えます。

イタリア料理「mesebaba」

「おいしい」より「うまい」と言わせたい春を告げる仔羊をイタリア家庭料理の味で

「仔羊の料理? パッと思いつくだけで40種類ですかね」。そうサラッと返す、メゼババのオーナーシェフ、高山大さん。それだけのレパートリーが浮かぶのは、イタリア・フリウリ州の星付きリストランテや、トスカーナ州のおばあちゃんが腕を奮うトラットリアで修業した経験があるから。「向こうでは、仔羊は価格も安く、食べないところがないほど生活に密着した肉。家庭でも親しまれている仔羊料理は、例えば、仔羊のミルク煮込みひとつとってみても、春だったらグリーンピースを合わせたり、冬だったら西洋わさびを削って添えたり…と、イタリア20州の地域性とそこに四季折々の食材を組み合わせたら、膨大なバリエーションが生まれます。自分がお店を出すにあたって、現地で見てきた料理を食べて欲しい、と思ったら自然と仔羊の料理も増えました」。特に、この時期の仔羊は、現地でも冬の終わりが近づき、春の到来をいち早く告げる肉として喜ばれる食材だそう。

今回ご紹介する「仔羊のミートソーススパゲッティ」「仔羊のミルク煮込み」「仔羊のカツレツ」三品も、向こうの家庭でおなじみの料理ばかり。仔羊は半頭買いして、高山さん自ら欲しい部位になるよう厨房でさばき、その部位のおいしさを引き出すよう料理していきます。高山さんが作るイタリアンは、「働いていたトスカーナ州のトラットリアの味をベースにした、イタリアのマンマの料理」ですが、その味を再現するために、厨房には業務用の強い火力は必要ないと家庭用のコンロを持ち込むほど。「ワンピースを着ておしゃれした女性がうちの料理を口にしたとき、“おいしい”じゃなくて、 思わず“うまい!”って言ってもらえるような料理を作りたいんです」という高山さんの狙い通り、「あえて」出店した亀戸の地から連日連夜聴こえてくるのは、悶絶の声の数々(なので、予約は必須です)。大丈夫。今回の三品も、すべて「うまい!」と言いたくなるお料理ですよ!

(左)仔羊のミルク煮込み:今回の三品はハンガリー産の乳飲み仔羊を使用。ミルク煮にするのは、あまり香りが強くない乳飲み仔羊のみ香味野菜、白ワイン、生クリームなどで、腰回りや肩を骨付きのまま煮込む。寒い日には大鍋でたっぷり作る温かな家庭料理。2,160円(右)仔羊のカツレツ:ラック(背肉)とハラミ、2つの部位を、きめの細かい自家製パン粉でカラリと揚げたカツレツ。奥深い味の決め手は、パン粉ではなく揚げる際の溶き卵に入れたチーズ。それぞれの肉のうまさを堪能しながらむしゃぶりつきたい。3,240円

「仔羊のミートソーススパゲッティ」1,512円。モモ肉をたたいたミートソースは、ボロネーゼほど煮込まず軽やか。太めのパスタにごろっとした肉のかたまりがよく絡まって至福の時

Chef : 高山大 さん

イタリア・フリウリ州のリストランテ、トスカーナ州のトラットリアなど足かけ約7年イタリアで修業。滞在中には現地の肉屋でも働く。帰国後、西麻布や駒沢のイタリアンを経て、13年「メゼババ」をオープン。日替わりの黒板メニューが基本だが、今回の3品は予約時に伝えれば対応可能

メゼババ

TEL:03・3636・5550
住所:東京都江東区亀戸6・26・5
営業時間:17:00~翌2:00 不定休 要予約

Text:浅井直子、木村千夏
Photo:中村総一郎、柳大輔

※こちらの記事は2015年2月20日発行『メトロミニッツ』No.147掲載された情報です。

更新: 2017年1月21日

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