エレガントでロマンのある

|羊肉の饗宴[12]|
羊料理の魅力を味わえる店⑧
“小さな劇場”を意味する店名のレストラン「IL TEATRINO DA SALONE」

ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカ、アメリカ、そしてオーストラリアやニュージーランドまで、世界各地で愛されている羊肉。日本の羊肉料理と言えば、確かにジンギスカンくらいかもしれませんが、今、東京をめぐってみれば、これだけ素晴しい羊肉料理の数々に出合えます。

イタリア料理「IL TEATRINO DA SALONE」

仔羊のストゥファート:「月替わりのおまかせコース」(8,500円、税・サービス料別)からの1品、仔羊のストゥファート。パプリカを器にし、グリーンオリーブと煮込んだクスクスを添えて

イタリア各州、郷土の味を再構築しレストラン料理の高みに昇華させる

土地ごとの気候や風土、伝統を反映した郷土の味の集合体と形容される、イタリア料理の世界。ここは、それぞれに歴史とストーリー持つ料理をコース仕立てで展開する、“小さな劇場”を意味する店名のレストラン。ランチでは周遊気分で各州の郷土料理が味わえる「イタリア旅行」や「ワインのテイスティング」、ディナーでは月替わりのコースを用意しています。店のこだわりでディナーに必ず組み込まれているのが、羊肉料理。パルミッジャーノ・レッジャーノ・チーズやバルサミコ酢などの発祥である美食の地、エミリア=ロマーニャ州の名店で修業を積んだ芝先康一シェフに、看板メニュー「仔羊のストゥファート」について伺いました。

「ストゥファートとは、蒸し煮のこと。具材を入れた鍋をストーブの上に置いて調理する、素朴で手の掛からない家庭料理が起源です」。伝統を再構築して想像力豊かな料理を生み出す“クチーナ・クレアティーヴァ”をテーマに掲げる同店で芝先シェフが手掛けるのは贅沢に手間を掛け、家庭料理からレストラン料理に昇華させたストゥファートです。低温でじっくり火入れした仔羊肉にナイフを入れると、寸分の狂いもなく完璧なロゼ色に仕上がった断面が顔を出します。そのしっとり繊細な舌触りに、ローストした骨を8時間煮込んだダシとシェリーヴィネガーを合わせたスープの澄んだ旨みが重なり、洗練された印象。「家畜の命を感謝していただき、部位のすべてを余さず使い尽くすのが、イタリア食文化の基本。そして現地の料理人は、熟成具合や火入れなど、肉が最もおいしいタイミングを捉えるのが本能的に上手いことに感動し、感覚の違いを学びました。そうした伝統に敬意を払いながら、あらゆる技法を駆使して未知の風味を創造し、新鮮な驚きを感じていただける羊肉料理を作りたいと思っています」。若きシェフのイタリア料理への深い愛情と情熱、独創性が宿った1皿は、日々美食家を魅了し続けています。

Chef : 芝先康一 さん

1982年生まれ。都内フレンチレストランなどでの修業を経て、イタリアへ渡る。エミリア=ロマーニャ州ピアチェンツァの名店「リストランテ リーバ」で経験を積み、2009年に帰国。「サローネ2007」スーシェフを務め、12年5月に「イル テアトリーノ ダ サローネ」シェフに就任する

ゆったりとスペースを取ったカウンターは8席。他に個室も用意する。訪れると、芝先シェフ自らが料理の背景やイタリア食文化について丁寧に説明してくれる

イルテアトリーノダサローネ
TEL:03・3400・5077
住所:東京都港区南青山7・11・5 HOUSE7115 B1F
営業時間:12:00~13:00LO、18:00~20:00LO 日・第1、3月定休

Text:浅井直子、木村千夏
Photo:中村総一郎、柳大輔

※こちらの記事は2015年2月20日発行『メトロミニッツ』No.147掲載された情報です。

更新: 2017年1月7日

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