SEASON OF SUSHI[SUMMER]

|尊敬できる鮨[7]|
その季節にいただきたい旬の鮨ダネを知る
「夏の魚介を知る」

旬の鮨ダネを知れば、季節の訪れを感じたり、その時期ならではの味に出合えたり、鮨をいただく時間がより豊かになります。主な鮨ダネの旬をご紹介しますが、獲れる場所で旬も変わり、世界中から旬ネタを仕入れる店も。あくまでガイドラインと心得て、季節の美味を楽しみましょう。

暑さに負けない少数精鋭が支える、夏場の鮨シーン

夏が旬の魚は圧倒的に少ないもの。暑いとバテてしまうのは、人間も魚も同じなのです。でも、夏の到来とともにいきなり輝きを増す人がいるように、中にはこの時期、一段と元気な魚たちも。夏の産卵期を控えた魚はエサをたっぷり食べて備えるので、そこを狙うのもおすすめです。また、食材が少ない夏こそ、仕込みの腕が試される江戸前の技を堪能できると言えるかもしれません。さらには下に紹介するミナミマグロのように、海外の違う海域で獲れた魚が存在感を増す時期でもあるのです。

鰈(カレイ)(righteye flounder)

日本周辺に数多く生息するかれいの中でも、鮨ネタとされるのはマコガレイが多い。近親種にも関わらずヒラメより下に見られがちだが、質の良いものは引けを取らない味わいを誇る。ヒラメ同様、脂の乗ったエンガワがある。

鰹(カツオ)(skipjack tuna)

脂を溜め込んだ戻りガツオが有名だが、“初物”好きの江戸っ子が「女房を質に入れても食べたい」としたのは、春から初夏の上りカツオのこと。ひと夏かけて、日本の太平洋側を北上する。さわやかな香りが薬味とマッチ。

南鮪(ミナミマグロ)(southern bluefin tuna)

南半球の中緯度海域に分布するため、冬に脂が乗るクロマグロに反して夏が味の旬となる。最大の特色は、トロ部分の濃厚な脂の乗りと甘み。クロマグロの漁獲量の減少や、日本人の嗜好の変化により、近年需要が拡大している。

穴子(アナゴ)(common Japanese conger)

鮨では煮たものを握って提供されるが、作り方は店によって千差万別。各店舗のこだわりが垣間見えるネタでもある。関東では煮あなご、関西では焼きあなごを使うなど、地域性も豊か。東京湾で獲れる江戸前が最高級品。

車海老(クルマエビ)(kuruma prawn)

江戸前鮨では茹でてから握るのが基本。形が崩れないよう竹串を刺して茹で、塩を振り、水で洗って酢に浸す。丁寧なその作業で甘みが倍増し、紅白の縞模様が美しく浮かび上がる。天然ものが非常に少ない魚種の1つ。

島鰺(シマアジ)(white trevally)

関東以南の暖かい海に生息し、伊豆諸島周辺が最高の漁場。あじ科の中ではもっとも美味と言われ、クセのないまろやかな旨味が感じられる。近年は天然ものの漁獲量が激減して養殖が増え、良質なものが手に入りづらい。

螺貝(ツブガイ)(whelk)

巻貝系の中では比較的リーズナブルで手軽。コリコリとした歯ごたえにファンが多い。鮨ネタとして好まれるのは特に北日本。握り以外も串刺しの「つぶ焼き」として食べられる。弱性の毒を持つため、調理には注意が必要。

勘八(カンパチ)(greater amberjack)

高級魚ぶりの仲間の中でも、もっとも上等とされる人気者。近年は養殖が盛んだが、この時期獲れる手のひらほどの大きさのものは、貴重なネタとして重宝される。脂は乗っているがしつこくなく、旨味や甘みも十分。

蝦夷馬糞海胆(エゾバフンウニ)(japanese ezo sea urchin)

北海道全域に生息。質の良い道産昆布を食べて育つため、味が良くなるとも言われている。うにの中でも特に鮮やかなオレンジ色、濃厚な旨味と甘みが特徴。一般的に、ばふんうによりも味はいいとされ、非常に高価。

平政(ヒラマサ)(yellowtail amberjack)

蝦蛄(シャコ)(edible mantis shrimp)

黒鮑(クロアワビ)(abalone)

鱸(スズキ)(japanese sea bass)

Text 唐澤理恵
Photo 藤原昌高(ぼうずコンニャク 市場魚貝類図鑑)

※こちらの記事は2015年2月20日発行『メトロミニッツ』No.148に掲載された情報です。

更新: 2016年11月24日

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