東京のグルメシーンをリードする

|異彩のビストロ[10]|
[bistrot nous]末広町

東京のビストロが今、面白いことになっています。日本の有名なフランス料理店や、本場フランスに渡り、腕を磨いてきたシェフたちが営む、小所帯で、ジーンズでも行けて、仕事帰りにふらっと立ち寄れるお店が続々とオープンしているのです。一昔前はそんな輝かしい経歴を持つシェフたちはホテルやグランメゾンで料理長を務めるのが通例で、高級店でしかその腕前を堪能できませんでした。彼らにビストロを開いた理由を聞いてみると「フランス料理をもっと身近に感じてほしいから」と、口を揃えて言います。ここ数年、“コスパ”を重視した気軽なビストロが増え、私たちにとってワインやフレンチは身近になったように思えますが、彼らが言うのは伝統を踏まえ、現代の技術や食材を駆使した“本当のフランス料理”。料理と向き合う眼差しはグランメゾンのシェフと変わりません。本特集では、そんな数あるビスロトの中でも頭ひとつ抜けた、その本格的な料理や独特なスタイルで異彩を放っている、今行くべき店をご紹介します。

磯貝喜夫さん-Yoshio Isogai-

大学卒業後、ダイニングバーにてバーテンダーとして勤務(そのためビストロながら、ドリンクメニューにはカクテルもオンリスト!)。その後、自分のお店を開くために、料理人としてカフェやレストランにて経験を積む。2009年に渡仏しパリのビストロで1年間の修業後、2011年、御茶ノ水に「ビストロ・ヌ―」をオープン

パリで磨いた感性から生まれる洗練されたビストロ料理

バーテンダーから飲食への道に入ったという異色の経歴を持つ、オーナーシェフの磯貝さん。パリへ料理修業に向かった時のエピソードも豪快です。「フランス語はほとんど話せず、ツテもなく。ビストロを食べ歩いて気に入ったお店に履歴書を送って雇ってもらいました」。パリの雰囲気が磯貝さんと合ったのか、お店にも恵まれ、充実した時間を過ごせたそう。「シェフは優しかったですし、スタッフもみんなフレンドリーでした。食材の目利きや料理のテクニックなどももちろん学びましたが、フランス人の料理やビストロに対する考えた方や感性みたいなものに触れたのが一番の収穫だったと思います」。その考え方の根底にあるのは、美味しくて楽しければOKだということ。「いろいろな種類を食べてほしいからハーフサイズの料理を出したり、リクエストがあればメニューにないパスタなども作る時もありますよ」。磯貝シェフのお話と料理を堪能したい方は、ぜひ特等席のカウンターで。

|EPISODE|

パリっこがこぞって通う

人気ネオビストロでの経験

磯貝シェフの修業先「L’Entredgeu」は、パリ17区にあるビストロで、ランチ時には100人ものお客さんが来るという超人気店。洗練されたバスク地方の料理を出すネオビストロと呼ばれるお店です。磯貝さんの綺麗な盛り付けはここから生まれたのかもしれません。「このお店の料理をそのままは出していませんが、食材の組み合わせのチョイスやスパイス使いなど参考にしています」と磯貝シェフ。

BRILLIANT!! NO1

本場で培ったセンスが光る見目麗しの盛り付け

その場で、直感で決める、美しく盛り付けられた料理。絶妙な火入れでねっとり妖艶な食感のサーモンのミキュイレモンのソース1,500円。メインは魚料理、肉料理合わせて常時10種類以上揃う。季節によってはジビエ料理も

BRILLIANT!! NO2

カウンター限定のハーフポーションメニュー

さながらシェフズテーブルのようなカウンターでは、手間のかかるハーフサイズのメニューも。手前から時計回りにフォアグラとピスタチオ入りパテ・ド・カンパーニュ540円。ガスパチョ435円。野菜のオーブン焼き540円

BRILLIANT!! NO3

パン、デセールまですべて自家製にこだわる

「作れるものはぜんぶ作ってみたい」と磯貝さん。パン作りは、以前の勤務先でピザ生地を作っていたので、「なんとなくできるんじゃないか、と思って作ったらうまくできました(笑)」とのこと。ガトーショコラ745円

bistrot nous ビストロ ヌー

住所:
東京都千代田区外神田2・10・8

TEL:
03・3251・0080
営業時間:
11:30~14:00、18:00~23:00 月定休 ※日・祝はランチお休み

Photo:牧田健太郎
Text:辺戸名悟

※こちらの記事は2015年8月20日発行『メトロミニッツ』No.154に掲載された情報です。

更新: 2016年12月8日

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