『フードスタジアム』のニューヨークレポート

|EAT GOOD[16]|最終章
NEWYORK EAT GOOD STYLE
ブルックリン編

昨年より「EAT GOOD時代が到来する!」と言い続けてきた、フードビジネスニュースサイト『フードスタジアム』編集部が、この4月、ニューヨークへ視察ツアーに行ってきました。聞けば、6日間で「ファーム・トゥ・テーブル」、「オーガニック」、「サスティナブル」といったキーワードを持つお店を70軒近くまわって、この都市の輪郭がより明確に見えてきたそうです。というわけで、少しだけ現地の様子を教えていただきましょう。なお、この記事の続きはWEB(フードスタジアム)で!

NEWYORK EAT GOOD STYLE ”ブルックリン”編

一方で、近年、注目集まるのがブルックリン。1990年代、地価高騰が止まらないマンハッタンから、新進気鋭のアーティストや若い職人たちは、ブルックリンへと創造の拠点を移してきました。そんなブルックリンでは、西海岸のサンフランシスコやポートランドカルチャーの影響も受けつつ、ピップスターたちが独特な〝ブルックリンスタイル?を確立。アンドリュー・ターロウ氏が1999年に創業した店「ダイナー」がそのきっかけを作り、現在もブルックリンの飲食シーンに影響を与え続けています。あらゆる食のジャンルで有名店が出尽くし、「トレンドなきマーケット」と言われるニューヨークの飲食シーンを引っ張る主役は、いまやブルックリンに移ったよう。日本の飲食店のオーナーやデザイナーたちのブルックリン視察は後を絶たず、インスパイアを受けた彼らがいま日本の飲食シーンを変えつつあると言えるのではないでしょうか。

ブルックリンの「食」を変えた立役者アンドリュー・ターロウ氏[ブルックリン]

ブルックリンの「食」を大きく変えたと言われている人物、アンドリュー・ターロウ氏がサウス・ウィリアムズバーグ地区に「ダイナー」をオープンさせたのは1999年のこと。食材を州内の生産者から買い、スタッフは店の近くに住む若者から採用し、毎日替わる料理を楽しみにした常連客が増えていきました。このように地元と深く付き合いながら、その後、カフェ&レストラン「マーロウ&サンズ」、食料品店「マーロウ&ドーターズ」など次々と新たな店舗を展開。そして、例えば牛の場合は1頭買いし、各店で肉を分けた後に、残った皮で靴やバッグを作るなど、最後まで責任のある無駄のない食べ方を提唱して広く注目されてきました。

近頃、レッドフック地区が面白い![ブルックリン]

レッドフック地区はブルックリンの南西にある港町で、ここには積み荷を保管するために使われていた広大な倉庫が多く残っています。それらを改装してつくった「飲食スペース併設のファクトリー」の存在は、このエリアに訪れる大きな理由に。より職人度が高く、原材料をNY産にこだわった店も多く集まっています。写真の「CACAO PRIETO」は小規模、手作り、地元産を貫き通した、チョコレートファクトリー兼ウイスキー醸造所。州北部のアップステートから採った水とコーンで醸造するウイスキーが自慢で、カカオ豆を使ったウイスキーを販売するなど、ユニークなお店です。立派な醸造設備がある部屋を抜けると、鶏や孔雀が歩き回る中庭が…。

『フードスタジアム』BLOG編集長コラム

http://food-stadium.com/

もはや「イートグッド」はスタンダード

ニューヨークに入る前、WEBを検索していたら、こんな記事が目に留まった。「外食情報サイトのEaterが発表した2015年のニューヨーク食のトレンドの1位は『トレンドが生まれないこと』」。ネット上で食の情報が氾濫し過ぎて、新しいトレンドもすぐに消費されてしまう。あらゆるジャンルで有名店が出尽くし、むしろ老舗が再評価されるなど、“ルネッサンス”がキーワードと言われるほどだ。確かに、今回の視察で70軒近くのレストランやカフェ、フードコートなどを覗いたが、私のアンテナにビビッと来たのは、レストランではなく、ややテーマパーク寄りだが、横丁的なフードコートたちだった。今、ニューヨークでは “organic” “farm to table” “sustainable” などをうたった店はもはやスタンダードであり、日常の食シーンの1つに過ぎない。そんな中で、ニューヨーカーにとっての期待のジャンルは日本食であり、ヘルシーな食として定着しているラーメンや寿司だ。英国発の和食レストラン「ZUMA」はいま最もマンハッタンで繁盛しているし、次々にオープンするラーメン店はいつも満席。ニューヨーカーはスープまで飲み干すのだ。寿司の「MASA」は単価が800ドルでも予約が難しい。そして今、話題は、「うどんが来る!」という情報。「ユニオン・スクエア・カフェ」が家賃値上げで移転した後に「つるとんたん」がオープンする予定。しかし、「うどん」がヒットするかどうか、それもすぐに消費されてしまうトレンドに終わるかもしれない。

佐藤こうぞう

早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』の編集者生活を経て独立。2000年、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』の創刊時の編集長(~vol.11)、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年よりフードビジネスニュースサイト『フードスタジアム』を開設、編集長を務めている

Text:佐藤こうぞう、望月実香子

※こちらの記事は2016年6月20日発行『メトロミニッツ』No.163掲載された情報です。

更新: 2017年1月2日

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