これからの東京の農業

|EAT GOOD[14]|
TOKYO EAT GOOD STYLE
「東京野菜普及協会」後編

近所のスーパーでも、ネットの宅配でも、今は簡単に日本全国の新鮮な青果が手に入る時代です。しかし少し足元に目をやると、ここ東京にも真摯に農業を続ける生産者がたくさんいます。決して広大な土地で大量に生産しているわけではありませんが、彼らはその限られた条件の中でより良い作物を作るべく、工夫と努力を続けています。そんな東京の農業に従事する人たちに、会いに行きました。

東京野菜普及協会

写真は、練馬の農家さんと「大治」メンバーほか。前列左から2番目は「大治」の代表であり、東京野菜普及協会の本多諭さん。後列左から2番目は「大治」の堀将人さんで、お2人とも下の本文中でお名前が登場しています

さて、本多さんにこの春、「東京野菜普及協会」を立ち上げた理由を聞いてみれば、上手く作れるだろうか?を模索する時期が過ぎたこともありながらも、これからは生産量を増やし、売り場を拡大することを事業として取り組んでいくためだと言います。「東京野菜」を持続可能な存在にし、社会に何らかの良い影響を与えることを目指しているのです。

「最近はフードマイレージという言葉がありますが、もちろんすべての野菜を東京産でまかなうのは無理だとはいえ、現在1?2%の東京の野菜自給率を7?8%まで引き上げられると、環境への負荷が随分軽減されます。輸送距離が少ない分、二酸化炭素の排出量も削減できるのです。東京は日本一の消費地ですが、〝東京の地産地消?が世の中に与える影響もきっと日本最大級。それも、事業化した目的の1つです」。そう話しながら、本多さんはさらにこう続けます。「何より、東京の農家さんは他県の農家さんに比べて規模が小さいのが良いんです」。だからこそ、美味しい野菜を届けられるのだ、と。

「地方の農家さんは広い土地を持っていますので、東京の農家さんの10倍くらいの出荷量があったりします。それは、単純に言えば、地方より東京の方が10倍の手間をかけられるとも言えますし、とにかく皆、仕事ぶりが丁寧です。小さなことでは、レタスやキャベツなどの葉に付いた泥を1個1個ふいて出荷する人もいますし、農地と街との距離が近いため近隣住民への配慮も必要で、自然と農薬の使用も控えめになります。だから『東京野菜』に参加している農家さんのほとんどはエコファーマー認定を受けているのですが、農業にかける熱い思いは他県の農家さんに決して負けてなどいません」

東京野菜普及協会
http://yasai.tokyo.jp/

Text:矢作美和(バブーン)

※こちらの記事は2016年6月20日発行『メトロミニッツ』No.163掲載された情報です。

更新: 2016年12月19日

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