|地中海料理という、暮らし方。[13]|

地中海美食クルーズ
第一寄港先は「タランテッラ・ダ・ルイジ」

各国の地中海料理1皿1皿の向こう側に!見える、多様な風土、歴史、食文化を感じていただける旅へとまいります。名付けて、地中海美食クルーズ!さっそく船が出航します。

[ITALY]世界ーの海洋都市国家を築いた国

全20州の中で北部・中部・南部とエリアが分かれてますが、歴史的にも文化的にも、地中海の恩恵を最も受けているのは南部。シチリアやサルディーニャも南部に位置します。

地中海美食クルーズの最初の寄港地は、世界でも有数の美食の国イタリア。船は、世界三大美港のひとつであるナポリに寄港し、ピッツァ発祥の地で熱々のピッツァを堪能。その後、中世に海洋都市として栄華を極めた、世界で最も美しい海岸と言われるアマルフィ海岸を経て、ブーツの先端·カラブリア州へ。そして、地中海最大の島·シチリア島、羊飼いの島として有名なサルディーニャ島を巡ります。

イタリアの地中海料理

[ピッツァチチニェッリ]

薄い生地の上に、トマトソースとニンニク、バジル、そして地中海の特産物であるオレガノをのせたのが「マリナーラ」ですが、そこにシラスを加えたのがこちら。モッッアレラチーズを使う代表的なナポリピッツァ「マルゲリー夕」は、19世紀末に誕生しましたが、漁師料理が起源のこのー枚の方が歴史は古いそう。2,268円

[アングイッラ ウミド プロフーモ ディ アッローロ]

意外かもしれませんが、サルデーニヤ島では春から夏にかけてウナギがよく食ぺられます。緑がかった表皮のヨーロッパのアンギラ種というウナギで、野趣あふれる風味が特徴。そのウナギ料理の代表がローリエと塩で煮込んだこのー品で、仕上げに同じく島の特産品の羊の乳から作るぺコリーノチーズをたっぷりかけます。1,620円

[フレーグラ アスピチェ エ フルッティディマーレ]

フレーグラとは魚卵型のバスタで、サルデーニヤの名物の1つ。大きさによリ種類があり、極小粒のタイプは現地で「カスカ」と呼ばれ、これは「クスクス」という言葉がなまったものと言われます。沿岸部では魚介とセミドライトマトなどと煮込むのがー般的で、パーネカラサウという薄焼きバンを添えていただきます。3,672円

世界中から愛される美食の裏側

まずご案内したいのは、ビッッア発祥の地とも言ゎれるナポリ。カンパーニヤ州の州部で、ローマ、ミラノに次いで3番目に人口が多い街です。温暖な気候に恵まれ、古代ローマ時代から首都ローマに野菜などの食材を供給してきたという歴史を持ち、今やトマトの一大産地として有名ですが、その戻にはナポリ人の涙ぐましい努力が···。実は、トマトがイタリアに輸入され始めた16世紀当初は、「トマトは不吉な食べ物、悪質な流行病をもたらす食べ物」と信じられ、なかなか受け入れられませんでした。

しかも実際のところ、輸入されていたメキシコやぺルー高地原産のトマトは小粒で果肉に乏しく、食用というよリは鑑賞用だったのです。そこから、実に200年もの時間をかけて、ナポリ人が辛抱強く、品種改良をしたことによって、果肉の多いイタリアならではのトマトが誕生し、南イタリアには欠かすことのできない食材となったのです。実は、ピッツァが今日、私たちが食べているピッツァのような形になり、トマトソースを使って仕上げるようになったのもこの頃なのです。

そして、イタリアの地中海料理を語る上で、外せないのが地中海で最大の島「シチリア」。シチリア島は地中海の中心にあり、「シチリアを制する者は地中海を制す」と言われ、戦略的に重要な拠点となるため、歴史的に幾多の民族の標的にされてきました。フェニキア人に始まり、ギリシャ、ビザンチン、アラプ、ノルマン、フランス、スペインの支配を受け、食文化にもその影響が色濃く反映されています。

今ではイタリア料理に欠かせないオリープやオレガノ、バジリコ、ワイン造りはギリシャから、ビザンチンからは強い塩味が伝えられました。他にも、地中海に面した西端の街、卜ラーバニの名物料理であるクスクスはアラプから伝わったものですし、大航海時代のスペインからはトマトやナスなどの産物が次々と伝わって、シチリアの地でカポナータなどの名物科理が生まれています。このような背景から、いまや世界中の人々を魅了してやまないイタリアの地中海料理が形成されていったのです。

TARANTELLA da luigi[白金高輪]

現地そのままの味の多彩なメニュー。カンパーニャ&サルデーニャ料理を満喫

「イタリアは細長い形の国で海に囲まれ、南北に長く、日本と似た土地柄。特に地中海沿岸や南部では野菜中心の食事で、魚をよく食べ、へルシーなのが魅力です。当店はナポリを中心としたカンパーニャ州と、サルデーニャの郷土料理が主軸で、ほとんどアレンジはしません」と話すのは、オーナーシェフの寺床雄一さん。寺床さんはナポリをはじめ、羊の畜産や漁業が盛んで沖縄のような独特の食文化があるサルデーニャ島など、イタリアの様々な地域に、約8年滞在。街場の食堂やミシュラン3つ星のリストランテをはじめ、普段の仕事が体みの日には菓子店やパン店にも勤め、数十軒のお店で腕を磨いたそう。特に、ビッツァ職人として唯一「イタリア共和国功労勲章」を受章したガエターノ·エスポズィト氏と、100年以上統くナポリの老舗ピッツェリア「スタリタ」のアントニオ・スタリタ氏という、巨匠2人に学んだ経験もあり、ピッツァは抜群の美味しさ。寺床さんは食べ歩きにも熱心で、本場の味にとことん触れてきたと言います。「現地の家庭では、週末は家族みんなで集まり、昼過ぎから夜まで長い時間をかけてゆったりと食事するのがー般的です。自分が体験した、豊かで贅沢な食の時問を提供できたら」(寺床さん)。店内は、薪窯や壁の色鮮やかなタイル、にぎやかな小物類などが彩り、まるでナポリの街角にあるレストランの雰囲気。2011年のオープン以来、常に混み合うほど人気を集めています。

インサラータ ディ ポリポ

タコはイギリスやドイツなどアルプス以北のヨーロッパ諸国ではなじみが薄いですが、イタリアやスペイン、ギリシャなどでは伝統的な食材。オリーブなどともにサラダにし、レモンを搾って食べるのが定番です。1,728円

ヴェスヴィオ アル フォルノ

ナポリ湾岸のヴェスヴィオ山に見立てたパスタのオーブン焼きで、家族みんなが揃う週末などに食べる郷土料理。表面に溝のあるパスタを使い、中にラグーソースやリコッタチーズ、グリーンピースなどを入れます。1,728円

フリットゥーラ ディ パランツァ

イタリア南部、アマルフィ海岸周辺の名物料理です。「パランツァ」は底引き網のこと。漁師が売り物にしにくい、網掃除で見つかる小魚や小エビなどにセモリナ粉をつけてまとめて揚げた家庭料理がルーツ。1,944円

パナーダ ディ アニェッロ

仔羊やソラ豆、ペコリーノチーズなどの具材をセモリナ粉のパイ生地で包んでオーブンで焼いた、サルデーニャの郷土料理です。同様の料理は「エンパナーダ」という名前でスペインにも広く伝わっています。1,188円

TARANTELLA da luigiタランテッラ・ダ・ルイジ

住所:
東京都白金3-22-2
TEL:
03-6408-5552
営業時間:
[平日] 12:00~15:00(L.O.14:00) 18:00~23:00(L.O) [土日祝] 12:00~14:00(L.O) 18:00~23:00(L.O) *日祝 22:00(L.O)
URL:
http://tarantella-da-luigi.com/

Text:佐藤大志
Photo:柳大輔

※こちらの記事は2015年5月20日発行『メトロミニッツ』No.151に掲載された情報です。

更新: 2017年1月4日

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