”豊食の時代”を振り返る

|Tokyo Food Journal[11]|
キーワードでたどる!TFJ Calendar-Part04-
=5月編=

ここからは、今年東京にオープンした数多の飲 食店の中から、特に東京のフードシーンに影響 を与えたであろうお店を総ざらい! つまりはメト ロミニッツが気になったお店カレンダーとも言 えます。 そこから見えてくるキーワードと共に、1 月から12月まで駆け足で振り返りましょう。

【5月】May

□1日 イタリアで「ミラノ万博」が開幕(10月31日まで開催)1日赤坂に、手掴みシーフードチャイニーズ×ワインの店「KOO」(クー)がオープン。手掴みで食べるシーフードは昨年も何店か日本へ上陸したが、中華では日本初。また、コンセプトにもあるワインは種類豊富で、カリフォルニア、チリ、オーストラリア、ニュージーランドなどのニューワールドワインを中心に、新進気鋭の生産者までバラエティ豊かに取り揃えている。

□11日 南青山に、主に国産チーズを扱うチーズレストランDAIGOMIminamiaoyama」がオープン

□11日 人形町に、豚肉専門ビストロ「ラブーシュリーグートン」が人形町にオープン

□15日 ピエモンテ州の郷土料理をベースにしたイタリアン「Cucchiaino-piu-y」(クッキアイノ・ピウ・イプシロン)が銀座にオープン。2013年にはミシュランのビブグルマンに選ばれ、まさに「これから」だった矢先の2014年末、およそ2年半の短い歴史に幕を閉じた築地「クッキアイノ」。同店のオーナーシェフ新佛佑介さんが新たに立ち上げた店がここ。料理は、イタリア、スイスの星付き店を経験してきたシェフの、特にピエモンテ州での経験を下に作られた和のニュアンスが加わったイタリアン。

 

□19日 銀座に、イタリアンエルビステッカーロデイマニャッチョーニ」(Erbisteccarodeimagnaccioni)がオープン。店名の「Bisteccaro」(ビステッカーロ)はイタリア語で〝ステーキ職人?、「Magnaccioni」(マニャッチョーニ)はローマの方言で〝食いしん坊達?の意。オーナーシェフ山崎夏紀さんが「食いしん坊達のお腹を満たすためのステーキ職人」としてビステッカとローマ料理を提供する店。山崎さんのローマ料理は、日本にイタリア料理を広めた重鎮の1人で師匠でもある、吉川敏明氏(エルカンピドイオ)と6年間勤めたローマの料理店からから受け継いだ伝統の味。

□26日 日本橋に、LA発のコーヒーチェーン「TheCoffeeBean&TeaLeaf」(コーヒービーン&ティーリーフ)がオープン。1963年創業のセレブも御用達の人気スペシャルティコーヒーチェーンで、現在は世界27カ国で1000店舗以上も展開している。特にコーヒー豆の産地とその特徴を活かす焙煎にこだわり、コーヒー豆は契約農園から直接買い付けた、主にシングルオリジンの最高級アラビカ種100%を使用。また、ティーもトップ2リーフのみ手摘みした高品質茶葉を自社でブレンドしている。

|KEYWORD|国産

昨今の外食業界では、安心で安全を求める消費者のニーズに合わせて、海外調達の多かった食材を国産品へとスライド。技術の発展により、高品質となった国産素材にますます注目が。

【国産チーズ】

南青山/ダイニングカフェ 
DAIGOMI minamiaoyama

北海道興部町のチーズをたっぷりと味わえる有機じゃがいもラクレットがけ1380円。チーズは、北から南まで常時30種類以上揃え、年間100種類以上も取り扱う

食材も飲み物も国産のチーズレストラン

「チーズ好きな人の、チーズ好きな人による、チーズ好きな人になってもらう為のお店」を掲げる池袋のレストラン「DAIGOMI」が、南青山の閑静な住宅地に2号店を開店。池袋店との大きな違いは、チーズも食材も飲み物も全部、国産のものを使うこと。特に、近年、国産チーズに変化が起きていると店長・松田洋輔さんは言います。「ヨーロッパのチーズと比べて国産チーズの歴史はまだまだ浅いんです。でも今、チーズ職人の世代交代が起きていて、海外で習得した技術で第2・3世代が国内で生産。イタリアにも勝るに劣らないしっかりした味わいが楽しめるようになりました」。そんなチーズに魅せられた松田さんは、サラダや肉料理、リゾットといったメニューすべてに国産チーズを忍ばせます。「流通の少ない国産チーズがまだたくさんあります。その魅力を伝えるべく、生産者とお客さんをつなぐ役目を担えたら」。

ダイゴミ ミナミアオヤマ
[2015.5.11 OPEN]
電話:03・3409・8333(14:00~24:00) 
住所:東京都港区南青山6・15・4プラウドフラット南青山B1F 
営業時間:18:00~23:30(フード22:30LO、ドリンク23:00LO) 火定休

【国産 小麦】

若林/パン 
LA BOULANGERIE NAIF

「シンプルなパンが好き」と話す谷上さんは、自家製天然酵母を使った食パンやシリアル・ブレッドなどのほか、あんパンやクリームパンといった菓子パンも用意

国産小麦を用いて9年ぶりに再出発

惜しまれながらも閉店した中目黒・代官山の人気パン店「ラ・ブランジェ・ナ イーフ」が、9年の時を経て復活。シェフは、都内有名ベーカリーでキャリア を積んだスペシャリスト・谷上正幸さん。食事パンを中心としたラインナッ プはそのままに、これまで使っていた小麦粉を、海外産から北海道産に移 行したのが大きな特徴です。「日本でおいしい小麦を作るのは、難しいと 思っていました。だけど、年々下火になる国産小麦の将来のために命をか けた生産者に出合い、納得できる素材へと変わっていた。諦めずに作り続 けた人の意思をリレーしたいんです」と谷上さん。国産小麦で作るパンは、 日本人が大好きな米のような優しい食感になるそう。「生まれ育った日本 のものを使ってパンを作っていきたい」と語る谷上さんは、この12月にライ 麦も国産にチェンジ。オール国産でパンに情熱を傾けます。

ラ・ブランジェ・ナイーフ
[2015.9.25 OPEN]
電話:03・6320・9870
住所:東京都世田谷区若林3・33・16 第一愛和ビル 1F
営業時間:10:00~18:00頃 火・水定休※臨時休業あり

Text:船橋麻貴
Photo:花村謙太朗、野呂美帆

※こちらの記事は2016年12月20日発行『メトロミニッツ』No.158に掲載された情報です。

更新: 2016年11月30日

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