エレガントでロマンのある

|羊肉の饗宴[9]|
羊料理の魅力を味わえる店⑤
神田のガード下の人気店「味坊」

ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカ、アメリカ、そしてオーストラリアやニュージーランドまで、世界各地で愛されている羊肉。日本の羊肉料理と言えば、確かにジンギスカンくらいかもしれませんが、今、東京をめぐってみれば、これだけ素晴しい羊肉料理の数々に出合えます。

中国東北料理「味坊」

炭火羊鍋セット1,545円(2人前~)。炭火を仕込んだ中国製の銅鍋で食べるラム肉のしゃぶしゃぶで、豚肉、季節の野菜、凍豆腐、春雨、〆のラーメンが付く。スープのダシには豚1頭から2本しか取れない高級食材・豚バラ先軟骨を使用。別皿の塩・砂糖・山椒で味を調整できる濃厚なごまだれ、ニラ花の塩漬けだれ、紅腐乳、ニンニクだれが添えられ、多彩な味で楽しめる

めくるめく羊肉料理の数々中華と自然派ワインのコラボが楽しめる神田のガード下の人気店

“ガード下の名店”と名高い中国東北料理店「味坊」は、羊料理の聖地的存在。店主は中国黒竜江省チチハル出身の梁宝璋(リャンホウザン)さんで、子供の頃、母や祖母が作ってくれた生まれ故郷の料理を、餃子の皮などの粉物から板春雨まで、細部から手作りして提供しています。そんな東北地方とは粉食文化が盛んな土地柄で、味付けは塩や醤油などであっさり味に仕上げるものも多く、油も控えめ。そのため、日本人の舌にもさらりと馴染む優しい味わいです。そして、料理に用いる肉と言えば羊が中心。この店で使用しているのは軟らかいニュージーランド産のラムで、例えば東北料理の代表料理である水餃子には、ラムの塊肉を包丁のみで絶妙な食感になるまでカットした挽き肉を使用しています。もっちりとした自家製の厚い皮にラムの挽き肉、トマトがしのばせてあり、様々な季節の野菜を餃子に入れる東北地方ならではのひと味違う美味が楽しめる逸品です。また、料理の他にもご注目いただきたいのが、ほとんど1本2,575円で揃えている自然派ワイン。事の始まりは、常連客の勝山晋作さん(人気店「祥瑞」のオーナーで自然派ワイン界の重鎮)に「ここの料理は絶対ワインと合うよ」とすすめられたこと。彼との出会いから自然派ワインの魅力にハマった梁さん、昨年は渡仏してワインの生産者を訪ねるなど、目下ワインの勉強中だと言います。ボトルは冷蔵ケースから自分で取り出すシステムで、勝山さん紹介の卸店から届く20種は「安くて掘り出し物アリ」と通も喜ぶ魅惑のラインアップ。ラムが調和した中華とワインの秀逸なコラボに、連日満席の人気ぶりにも大いに納得できます。

味坊の羊料理メニュー勢揃い。右から時計回りに、羊肉串(ラム肉串焼き)5本1,030円、羊肉炒麺(ラム肉入り手打ち焼きそば)1,133円、羊肉水餃(ラム肉の水餃子)545円、葱爆羊肉(ラム肉と長葱の塩炒め)1,133円、孜然羊肉(ラム肉のクミン炒め)1,009円、羊肉煎餃(ラム肉入り餃子)618円、羊肉餅(ラム肉入りおやき)659円。餃子はどちらもそのままか、黒酢やラー油をつけるのがおすすめ

左/材料のカットは包丁のみでスライサーなどは使わず、東北地方伝統の作り方を守り続けている、右/昨年、羊齧協会が立ち上げた「金羊賞」の初代受賞店に認定された

AJIBO
TEL:03・5296・3386
住所:東京都千代田区鍛冶町2・11・20
営業時間:11:00~14:30/17:00~23:00(22:30LO)日・祝定休

Text:松本典子
Photo:井上美野

※こちらの記事は2015年2月20日発行『メトロミニッツ』No.147掲載された情報です。

更新: 2016年12月5日

この記事が気に入ったら
「シェア」しよう

最後までお読みいただき、ありがとうございます

pagetop