映画鑑賞のいまどきのカタチ

|“食べる”を見つめる映画[12]|
「食」と「映画」の場をつくる人々「シネマ アミーゴ」/「寺シネマ」

映画はいまや映画館や、ホームシアターで観るだけのものではなくなってきているようです。カフェやレストランで、アウトドアで、さらにはお寺でも。それらに共通しているのは、その場で一緒に観た人たちと共有できるということ。映画の新しい楽しみ方があちらこちらで生まれています。

「シネマ アミーゴ」 逗子で映画サロンの仕掛け人といえばこの人

CINEMA AMIGO/営業時間:9:45~24:00/住所:神奈川県逗子市新宿1・5・14

映画をきっかけに“豊かさ”を考える場所

「Play with the earth(地球と遊ぼう)」をコンセプトに、 国内外の優れた映画を海岸という絶好のロケーションで上映する、屋外型映画祭「逗子海岸映画祭」を企画。また、娯楽作品からドキュメンタリーまで幅広い映画を観ながら食事ができるシネマカフェ「シネマ アミーゴ」の館長を務める長島源さん。民家を改装して作ったこのカフェには、界隈の人が映画を中心にして集まるサロンのような存在になっています。かしこまって観るのではなく、食べたり飲んだりしながらリラックスして映画が愉しめる空間。丁寧に作られた小物や雑貨、デリや野菜を販売する「AMIGO MARKET」も、この夏お隣にオープンし、映画を中心に豊かな暮らしを提案する場となっています。

仕掛け人長島さんが推薦する『食べるを見つめる映画』

ドキュメンタリーを初め、食をテーマにした映画が増えてきていますが、「もうピークは過ぎたかな」というのが私の印象です。食について向き合う姿勢がある映画がたくさんあって、それを観て考えるチャンスが増えたというのは歓迎すべきことです。しかし一方で、健康オタク的に何が正しいか間違っているかの判断する際に、食のドキュメンタリー映画をドグマにしている人が増えてきているようにも感じます。食の問題を一面的に捉えて、偏った捉え方でナーバスになってしまうのは考えものだなぁという気持ちがあります。個人的には伊丹十三監督の『タンポポ』のように料理が映画のスパイスになるような映画が増えてくれたら嬉しいですね。

未来の食卓 2008年/フランス

食に対する危機感を煽る映画はいくつもありますが、学校給食と老人の宅配食をすべてオーガニックにした村を題材にする、という切り口は未来に対するアクションも含んでいて、清々しかった。演出過多に思える部分もちらほらありますが、そこはご愛嬌。

パーシー・シュマイザーモンサントとたたかう2009年/ドイツ

いくつかある『遺伝子組み換え(GM)問題』を扱うドキュメンタリーのなかで、一番強烈な印象を自分に残してくれた作品です。風で飛ばされてきたGM種子によって汚染された畑を持つカナダの農民であるパーシー・シュマイザーと大企業の闘争を描いています。個人が不屈の精神で、特許権の侵害で訴えられたモンサント社という大企業を相手に、GMO作物をすべて取り除くようにと最高裁で立ち向かう様は痛快でした。

ある精肉店のはなし 2013年/日本

最近のベジブームの中で精肉について真正面に扱ったこと、また背景にある部落の問題に切り込んだことが素晴らしいと思いました。生命をいただくということについて、改めて考えるきっかけをくれた一作です。

聖者たちの食卓 2011年/ベルギー

インドの黄金寺院では毎日10万人規模で食材を持ち寄り、調理し、貧富の差も関係なく同じ食卓を囲んでご飯を食べるという文化がある。これは共同体の根本的な要素なんだと再認識しました。食事のシーンの迫力は圧巻で、キャピタリズムに対するアンチテーゼにも思えました。

仕掛け人 長島源さん

「寺シネマ」 お寺が気づきの 名画座に!?

都内をはじめ、全国のお寺で上映を計画中。現在、「寺子屋ブッダ」のサイト上で参画してくれるお寺を募集しています。http://www.tera-buddha.net/

街の名画座をお寺で復活!日本各地に拡散中!

“映画は私たちに気づきの時間を与えてくれて、誰かと一緒に観て、その気づきを共有できる”。それが映画のいいところであるという想いから始まった「寺シネマプロジェクト」。環境や平和、いのちや幸せについて、“気づき”を与えてくれる映画上映ネットワークを全国のお寺とともに作るべく9月に発足しました。お寺をもっと身近な場所にするための取り組みを行う「寺子屋ブッダ」が主体となり、全国のお寺に映画上映を呼びかけている最中です!

仕掛け人 寺子屋ブッダ

Text:冨手公嘉、メトロミニッツ編集部

※こちらの記事は2015年10月20日発行『メトロミニッツ』No.156掲載された情報です

更新: 2016年12月18日

この記事が気に入ったら
「シェア」しよう

最後までお読みいただき、ありがとうございます

pagetop