エレガントでロマンのある

|羊肉の饗宴 Banquet of Sheep’s Meat[5]|
羊料理の魅力を味わえる店①
「Burgaz Ada麻布十番」「Tharros」「PINK CAMILA」

ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカ、アメリカ、そしてオーストラリアやニュージーランドまで、世界各地で愛されている羊肉。日本の羊肉料理と言えば、確かにジンギスカンくらいかもしれませんが、今、東京をめぐってみれば、これだけ素晴しい羊肉料理の数々に出合えます。

オスマントルコ宮廷料理「Burgaz Ada麻布十番」

マリネした仔羊芯ロースに砕いた生ピスタチオと地中海ハーブをコーティングしたローストプリフィックスコース8,316円~の1品。赤いパンジャルソースはビーツとヨーグルトがベースの爽やかな味わい。黒いタヒニソースは黒ごまペーストでコクがあり、異色の味で仔羊を引き立てる

歴代の皇帝たちに供された15世紀の羊料理

14世紀から19世紀にかけて東西を牛耳った大国・オスマントルコの宮廷料理を味わえる、日本唯一の専門店がこちら。歴代の皇帝が食した門外不出のレシピを継承する料理人は世界で20人を切り、オーナーシェフのメフメット・ディキメン氏は稀少なその1人です。宮廷料理を考案したのは医師で、テーマは健康・長寿・アンチエイジング。野菜をふんだんに使って多彩なハーブやスパイスを取り入れますが、イメージとしてはエスニックではなく、ハーブやスパイスは素材を引き立てる役割を果たします。肉・魚・野菜すべての食材をマリネしてから使うのも宮廷料理の特徴で、こちらの厨房でも当時の手順を踏襲。プリフィックスコースのメインに常備する写真の一品も、提供する時間から逆算して、仔羊をオリーブオイルやハーブ、野菜の搾汁などで10~15分マリネしてからローストし、作りたての味にこだわって提供します。宮廷は肉の脂身を一切使用せず、赤身をいかに美味しく食べるかという文化。そのためニュージーランド産の仔羊は、ラムロインと呼ばれる赤身の軟らかい中心部のみを使います。ピスタチオの食感とハーブの香りが仔羊を際立てるこの逸品を、約30種のトルコワインとともに味わえる、高貴な晩餐がここにあります。

ブルガズ アダ あざぶじゅうばん
TEL:03・3769・0606
住所:東京都港区麻布十番3・7・4 麻布六堂3F
営業時間:18:00~22:00LO 日定休

サルデーニャ料理「Tharros」

羊肉のポルペッティーネとういきょうのトマト煮込み 松の実やナッツが入った羊肉のミートボール煮込みは、サルデーニャの家庭の味。しっかりボディの赤ワインとの相性が最高。2,376円

サルデーニャ島の温かい”マンマの味”

サルデーニャとはイタリア半島の西、地中海に浮かぶ島で、島民よりも羊の数が多いという、通称”羊飼いの島”。イタリア料理だけでなく、古代からアラブや北アフリカの食文化の影響を受けたこの島では、主要な食材として羊肉が食卓に並び、パスタやスープ、煮込み、グリル、パイ包みなど、豪快でシンプルな家庭料理として親しまれているそう。そんな珍しいサルデーニャ料理をいただける貴重なお店が、こちらの「Tharros」。現地で修業を積んだオーナーシェフの馬場圭太郎さんが目指すのは、肩肘張らずに楽しめるサルデーニャの”マンマの味”。自家農園直送のイタリア野菜や新鮮な魚介類、サルデーニャ産のペコリーノチーズ(羊のチーズ)、蜂蜜、パン、ぼらのカラスミなどを用いてアグレッシブに表現される料理は、素材の味が活かされた温かみのあふれるものばかり。中でも自慢の1品は、羊肉のミートボールと、セロリに似た野菜・ういきょうをトマトで煮込んだ「羊肉のポルペッティーネとういきょうのトマト煮込み」。肉のしっかりとした食感を楽しめるようにと、粗めに挽いた羊肉は、ニンニクなどのスパイスと混ぜ合わせられ、松の実、ナッツ、レーズンをイン。そして、上に載った濃厚なペコリーノチーズとともにいただきます。

タロス
TEL:03・3464・8511
住所:東京都渋谷区道玄坂1・5・2渋谷SEDEビル1F
営業時間:ランチ11:30~15:30(14:00LO)、土・日・祝12:00~15:30(14:30LO)、ディナー18:00~24:00(22:30LO) 無休

熟成肉とイスラエルワイン「PINK CAMILA」

ラムチョップ 2ピース8,424円(1ピースは5,616円)。ワインはこちらでしか飲めない「レカナッティシラーズ」グラス1,728円、ボトル7,020円。付け合せは炭火で素材の甘みを引き出した旬野菜のグリル

熟成肉の奇才が作る直球のラムチョップ

こちらは"熟成肉の店"として知られるイスラエル料理店。シェフのマルセロ・ラブ氏が35~45日間かけて熟成するアメリカ最高級プライム牛のステーキをメインに、彼の故郷・イスラエルの伝統を軸にしたモダンな料理を提供しています。ここに隠れる逸品が「ラムチョップ」。イスラエルの有名肉料理店で熟成肉のノウハウを学び、オーストラリアやカナダなど諸外国のステーキ店でも肉の扱いを極めたラブ氏。彼が様々なラムを食べ比べて選んだのは自生するハーブや牧草で育ったオーストラリア産のラムで、現地より直輸入しているそう。羊はなぜ熟成させないのか尋ねてみると、「熟成は赤身の肉を軟らかくするために行うもの。このラムは仕入れの段階で十分に軟らかいから必要ないんだよ」とのこと。1ピース200g前後にカットする厚さは、ミディアムレアに焼いた時に肉のジューシー感とラムの個性が際立つよう、緻密に計算されたもの。調味はイスラエルの岩塩のみで、直球勝負で打ち出した肉本来の旨みを味わえます。傍らには、安定した高い品質で世界から注目されるイスラエルワインを。約30種が用意され、日本ではこの店にしかない銘柄を愉しめるのも魅力です。

ピンクカミラ
TEL:03・6417・9888
住所:東京都目黒区下目黒1・5・16本田ビル2F
営業時間:18:00~23:00(22:00LO) 月定休(祝の場合は翌日に振替)

Text:松本典子、船橋麻貴
Photo:小倉亜沙子、井上美野

※こちらの記事は2015年2月20日発行『メトロミニッツ』No.147掲載された情報です。

更新: 2016年11月19日

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