Mamma mia! Che buono!!!

|美味しい南イタリア[7]|
南イタリアの美味しい授業Vol.3
Espresso Studyーエスプレッソ学ー

イタリアでは朝晩問わず、多くの人が入れ替わり立ち替わりカフェを訪れます。彼らが飲むのはたいていエスプレッソ。実は南部が発祥という説もあるとか。切っても切れないイタリア人とエスプレッソの間にあるものとは?バリスタの阿部圭介さんに聞きました。

南イタリアのエスプレッソ【基礎知識】

===歴史的背景===
16世紀頃トルコ周辺で生まれたコーヒー文化がイタリアに伝来したのは1615年。その後、1806年にナポレオンの大陸封鎖令でコーヒー豆が規制され、少ない豆の量で提供する手段として誕生したのが小さいサイズのデミタスカップでした。それから1世紀後、抽出速度を追い求め、高圧力で抽出するエスプレッソの方式が確立したそう。さて、エスプレッソ誕生の地については諸説あり、実は詳細は分かっていません。ナポリ発祥説もあれば、蒸気圧を利用した方法で初めて特許を取った開発者、ルイジ・ベゼラ氏の本拠地であるミラノとする向きも。ただ、ナポリ人は我が街こそ発祥地と信じて疑わないとか。

===南イタリアのバール文化===
イタリア人にとって、コーヒーと言えばエスプレッソ。「カッフェ」と呼ばれ、頻繁に飲まれています。出勤前に、仕事の合間に、帰宅前にと、日に何度もカフェを訪れ、エスプレッソを流し込むのがイタリア流。テイクアウトもしないそうで、日本のようにゆっくり座って楽しむより、さくっと立ち飲みして去るのが一般的。その習慣自体は、イタリア南北でさほど差はありません。ただし使う豆の品種により、北部はすっきりめ、南部は濃厚でとろみがあるなど、違いはあるようです。価格は、南の方が比較的安価。ナポリには独自のナポリ流エスプレッソがあり、大量の砂糖を先に入れた濃厚な1杯を楽しむそう。

エスプレッソ学の先生
阿部圭介さん

「セガフレード・ザネッティ」、ピッツェリア「パルテノペ」などを経て、現在は広尾の「ピエトレ・プレツィオーゼ」店主。日本バリスタ協会公認インストラクターなど、講師やデモンストレーターとしても幅広く活躍中。

ロゴには、南イタリアの海の色、エメラルドグリーン用。通し営業なので空き時間にふらりと立ち寄るイタリア式の使い方を実践したい。イタリア料理店で経験を積んだシェフが作る、本格的な料理やデザートも見逃せない

明るく開放的な雰囲気と、濃厚な味わい!"南部式"バールでエスプレッソを楽しむ

今年2月にオープンしたバール「ピエトレ・プレツィオーゼ」は、淡いイエローの壁が印象的な明るい空間。「南イタリアのリゾート地・アマルフィにあるバールをイメージしました」と語るのは、フリーランスのバリスタとして活躍し、この店の店主でもある阿部圭介さんです。仕事やプライベートでイタリア各地を巡った阿部さんは、何より南部の開放的なバールの雰囲気に魅了されたそう。

「たとえばミラノだったらスノッブでおしゃれな店が多いように、バールにも土地柄が反映されます。もちろん、クラシックで重厚感のある店はどこにもありますが、地中海に面したカラフルな街並みに馴染む明るさは、南イタリアならでは。フレンドリーで、初めてでも気兼ねなく入れる店が多いです」。

一般的に日本で使われるエスプレッソ用の豆は北部の有名メーカーのものが多いですが、阿部さんが使うのは「トゥルチッロ」社という、アマルフィの近くの小さな街のロースターのもの。濃厚で苦みもしっかりしています。南では、北に比べて味が濃く、とろみのあるエスプレッソが一般的。これは元々、経済的に貧しかった南部では、高品質かつ高値で取引されるアラビカ種の豆より、より安価で少量でも抽出しやすいロブスタ種が多用されたことに由来するそう。

質の良い豆が流通するようになった今でも、味の違いは変わらないとか。「東京に本格的なイタリアンバールは少ないですが、あってもほとんど北のスタイル。うちとの違いも楽しんでください」。カウンターで1杯飲みつつ、あれこれと阿部さんに話を聞くのも楽しそう!

ピエトレ・プレツィオーゼ

ピエトレ・プレツィオーゼ

住所:
東京都港区南麻布4-2-48 TTCビル1F
TEL:
03-6277-1513
営業時間:
11:00~23:00(22:00LO)日・祝定休
URL:
http://www.pietrepreziose.jp

Text:唐澤理恵 Photo:後藤武浩

※こちらの記事は2014年4月20日発行『メトロミニッツ』No.138に掲載された情報です。

更新: 2016年11月25日

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