SEASON OF SUSHI[SPRING]

|尊敬できる鮨[6]|
その季節にいただきたい旬の鮨ダネを知る
「春の魚介を知る」

旬の鮨ダネを知れば、季節の訪れを感じたり、その時期ならではの味に出合えたり、鮨をいただく時間がより豊かになります。主な鮨ダネの旬をご紹介しますが、獲れる場所で旬も変わり、世界中から旬ネタを仕入れる店も。あくまでガイドラインと心得て、季節の美味を楽しみましょう。

寒さがほどける季節、海の幸のミネラルが舌と身体にうれしい!

暖かくなってくると、海の生き物たちも断然活発に。回遊魚が北上を始める頃、初かつおなど、はしりの魚に良さを見出したのが江戸っ子たち。あっさりと優しいその味わいは、“初物”の看板はさておき、春の身体が喜ぶ美味しさです。ビタミン&ミネラル不足な冬の食生活をリセットできる魚もたくさんいて、例えばこの時期のアジは、脂質は少なめ、良質なたんぱく質や必須アミノ酸がたっぷり。山菜を食べてデトックスするように、旬の魚を食べるのもいいかも。

海松貝(ミルガイ)(geoduck clam)

春になるとプランクトンを活発に食べて成長し、3月の産卵を控えて太りだす。長さ20cmほどの大型貝だが、食べるのは水管のみ。磯の香りが強いため、好き嫌いが分かれるネタでもある。最近では韓国産も評判とか。

蛤(ハマグリ)(common orient clam)

基本的に生では握らず、茹でたものに煮ツメを塗って食べられる。縄文貝塚から貝殻が見つかり、太古から食用とされたことが判明している。産地や種類より、大きさで値段が決まる。1つで1貫分あるものは希少で高価。

鯵(アジ)(japanese horse mackerel)

漁獲量が高く安価なため、一般に広く食べられている。いわゆる“ひかりもの”の中では比較的クセがなく、食べやすいのも人気の理由。流通しているものは真鯵がほとんどだが、脂の乗った黄鯵などは高値で取引される。

鬢長鮪(ビンナガマグロ)(albacoretuna)

いわゆる「びんちょうまぐろ」のことで、こちらが正式名称。薄い赤色の身にはたっぷりの脂が乗り、独特の旨味がある。特に脂の多い腹身は「ビントロ」と呼ばれ、回転寿司などで定番人気。よくツナ缶に使われる。

白鱚(シロギス)(japanesesillago)

今も東京湾で水揚げされる、元祖江戸前の鮨ネタ。江戸時代は酢締めで食べられたが、最近では生で食べる高級ネタとして人気。鮮度が高いほど美しい透明感と艶が際立つ。上品な見た目に反し、濃厚な旨味も楽しめる。

鳥貝(トリガイ)(japanese cockle)

しゃきしゃきと心地良い食感で、生でも茹でて握っても美味しいが、加熱で一段と旨味が出る。独特の黒い色の濃さが上物の証。3月~7月以外に流通するものはほぼ冷凍の外国産のため、味を誤解されやすい貝でもある。

馬糞海胆(バフンウニ)(japanese green sea urchin)

うにはその色味から“赤うに系”と“白うに系”に分けられるが、こちらはえぞばふんうにと並び、色鮮やかな“赤うに系”の代表格。北陸から長崎にかかる日本海に生息。甘みが強く、ねっとりと濃厚な味わいが特徴。

春日子(カスゴ)(kasugo)

タイの幼魚。基本はチダイの幼魚を指すが、最近ではマダイやキダイのことも言うようになった。漢字で「春子」または「春日子」と書くように、成長する前の春しか食べられない季節の味。酢締めするのが一般的。

障泥烏賊(アオリイカ)(bigfinreefsquid)

しっとりと舌にまとわりつく食感と甘みがあり、いかの中では最高級。半日から1日半ほど熟成させると、さらに濃厚な味わいに変化する。旬は春だが、産卵期が春から秋にわたるため、長期的に状態のいいものが楽しめる。

Text 唐澤理恵
Photo 藤原昌高(ぼうずコンニャク 市場魚貝類図鑑)
※こちらの記事は2015年2月20日発行『メトロミニッツ』No.148に掲載された情報です。

更新: 2016年11月24日

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