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京ビアニスタ 【2】 ビールとはなにか?

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自分らしい“ビアニスタ”になるために、まずはいろんな種類のビールを試してみていただきたいと思うのですが、ビールの世界は広くて深いもの。だから、ここではその世界の入口に立てるだけの基礎知識をほんの少しだけご紹介しておきます。

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ビールとは、麦芽を主原料とした醸造酒のこと。他に、ホップ、酵母、水を材料として造られます。実はビールの定義とは国によって異なり、日本の酒税法では、まずアルコール度数は20%未満。麦芽の使用率は3分の2以上、すなわち副原材料は原料全体の3分の1までの使用と定められており、米、コーン、馬鈴薯などの全7種類の使用が認められています。そのことから、スパイスや香料を入れることが多いベルギービールのほとんどやフルーツビールのように7種類以外の副原材料を使っているもの、麦芽比率の低いものなどは「発泡酒」という扱いになります。しかし、世界的な基準で言えばそれらもビール。日本でもクラフトビールを語る上では、それらをビールと呼んでいる場合が多いようです。

omugi麦芽
ビールの主原料。麦を発芽させ、温風で乾燥させたものが麦芽(モルト)。色と香りのベースとなり、ビアスタイルの決め手となる。使うのは小麦より大麦が主流

hopホップ
アサ科の植物・鞠花のことで、苦み、酸み、爽やかなアロマの素となる。また、泡持ちを良くしたり、殺菌作用があるためビールの腐敗防止にも一役

kobo酵母
パンを焼く時にも欠かせない、あの菌種。麦芽などの糖分を炭酸ガスとアルコールに分解する発酵活動を担い、その過程で、香りや味の成分を形成します

 

style

私たちが仕事帰りに同僚と乾杯する時の「いつものビール」は、ほぼ間違いなくラガータイプのピルスナーというスタイルです。他にもヴァイツェン、アメリカンラガー、ペールエール…など、聞いたことがあるかもしれません。それらは、ビールの“スタイル”と言います。そんなビアスタイルは世界中に約100種類あるそうですが、大別すると上面発酵(エール)と下面発酵(ラガー)、加えて自然発酵(ランビック)。その分類は、エール酵母、ラガー酵母といった、使用する酵母の違いによります。

上面発酵
「上面発酵」に用いるのは、エール酵母。通常16~24℃で発酵し、発酵期間は3~5日。エールビールはイギリス、ベルギーで親しまれている

下面発酵
用いるのは、ラガー酵母。10℃前後、7~10日で発酵。一般的に、豊かな味わいと香りのエールに対して、ラガーはすっきり爽やかで飲みやすい

自然発酵
ベルギーの伝統的な製法で、空気中に漂う野生酵母の発酵により造られたビール。2年半~3年かけて発酵、熟成させる。醸造所によって香味の個性が異なる

 

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ビールの色の違いは元々の麦の色のこともありますが、原料の麦芽によることも。「ビールの魂」と呼ばれている麦芽とは、大麦または小麦を発芽させて緑麦芽にした後、熱風での焙燥またはロースターによる焙煎を行って乾燥させたものです。そのロースト温度が上がるほどに麦芽の色は段々と深くなり、一般的に、でき上がるビールの香りも苦みも増していくようになります。上のイラストは、一番色が薄いものは、小麦ビールのイメージ。フルーティで苦みの少ない、ヴァイツェンなどです。一番濃い色のビールなら、焙煎した麦芽の苦みを感じることができるはずで、例えば「ギネスビール」。アイルランドで生まれ、今や世界的に有名な黒ビール・ギネスビールのビアスタイルはスタウト。苦みの中にキレイな酸味が広がります。

 

craft Craftbeer_imageクラフトビールに明確な定義はないようですが、「小さな醸造所で、職人が造るビールのこと」とよく言われます。日本の場合、その始まりは1994年。細川内閣の下、酒税法が改定になり、ビールの酒造免許の取得条件が年間2,000klから60klに一気に引き下げられたことでした。つまり年間2,000kl造れるような大企業でなく、年間60klしか造れない小さな会社でも醸造所を始められることになり、瞬く間に、全国に地域の名産を使って造る「地ビール」のメーカーが急増。しかし、それらは本格的とは遠く、お土産的なものが多かったため、人気はすぐに降下し始めます。一方、その頃、アメリカではクラフトビールがブーム。それは造り手たちがこだわりを持って造ったビールであり、美味しさも本物でした。やがて日本の造り手たちも、世界に追いつけとばかりに努力を積み重ね、技術が飛躍的に向上。そして、今、職人の技と知恵を駆使した素晴らしいクラフトビールが次々と生まれる時代が訪れたのでした。

 

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