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本の家庭料理【2】「イマドキの家庭料理」考

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このページに並ぶ写真のように、私たちの食卓には和食も洋食も中華も、場合によっては郷土料理やご当地グルメも、日々、多彩な料理が登場します。ここではそんな“イマドキの家庭料理”について考えてみましょう。

 

地域ごと、風土に根ざした「食」を育み、四季を大切にする暮らしを受け継いできた日本人。しかし、そんな伝統的な食文化は、高度経済成長期に〝都市生活"が一般化するにつれ、埋没していくようになります。都市化が〝家庭料理の全国画一化"をもたらしたのです。つまり「食品産業が急速に発展し、全国各地へ浸透したこと」、「核家族化が進み、伝統的な家庭料理が伝承されにくくなったこと」、「若い主婦たちの現代気質」などの背景があり、昭和50年代の調査で、子どもたちに「家庭の食卓における好きなメニュー」を聞いたところ、オムレツ、カレーライス、サンドイッチ、スパゲティ、ハンバーグ…という状況に。今、家庭のテーブルには、和洋中、あらゆるジャンルの料理が並びます。それは世界中を見渡しても非常に珍しいカタチの食生活で、今日は何食べよう?と思いをめぐらすのも日々の楽しみの1つです。かつての大量生産・大量消費の時代が終焉を告げ、やがて食の安全問題に直面し、本質的な豊かさを求めるようになってきた現代。そして最近では「和食」の真価を見直す機会を得て、私たちの素敵なミックスカルチャー家庭料理もまもなく次なるステージに向かおうとしているのかもしれません。

 

「郷土料理の家庭料理」

郷土料理とは、①「その土地の特産品を用い、調理法や食べ方が伝承されてきた料理」(きりたんぽ、めはりずしなど)、②「気候や風土などの生活環境に適応するために生まれた料理」(ゴーヤーチャンプルーなど)、そして③「歴史的背景(武家料理だとか、海外から伝来したなど)や宗教の影響により作られるようになった料理」(卓袱料理、皿鉢料理など)の3つに分類されます。その中で、家庭料理は①と②である場合がほとんどです。

 

実goya_chanpuru[沖縄]
ゴーヤーチャンプルー
「チャンプルー」とは、沖縄の方言で「ごちゃまぜ」の意味。炒めても崩れにくいという島豆腐と野菜類の炒めもので、「豆腐」が入っていないとチャンプルーとは呼べない。なお、「チャンプルー」は比較的強い火力で短時間に調理される場合に用いられる言葉で、比較的時間をかけて炒め煮する料理は「イリチー」(炒り煮)と呼ぶことが多い

 

実kiritanpo[秋田]
きりたんぽ鍋
硬めに炊いたご飯をすりつぶし、串にちくわ状に貼りつけて焼いたものが、きりたんぽ。冬場には学校給食でもお馴染みの「きりたんぽ鍋」は、比内地鶏のガラスープを用いた醤油ベースのスープで、通常は鶏肉、ゴボウ、マイタケ、ネギ、たんぽ、セリの6種類を入れる。きりたんぽはもともときこりや山で仕事をする人々が携行するための食料だったという

 

実mehari_zushi[和歌山]
めはりずし
文豪・佐藤春夫に「故郷のうまいものは、1にめはり、2にさんま」と言わしめた、熊野地方(和歌山県、三重県)、および吉野地方(奈良県)に伝わる料理。高菜の浅漬けの葉で包んだおにぎりで、この地方で山仕事や農作業をする人たちが仕事の合間に手早く食べられる弁当として作られたもの言われている。食べる時に目を見張る(めはり)ほどの巨大サイズだった

 

 

「定番の和食」

明治期に生まれた肉料理で、しかし洋食ではなく、昭和40年代には定番のおふくろの味と言われるまでに出世した〝家庭料理の雄"があります。肉じゃがです。そんな肉じゃがも、日本の東と西では使う肉が違うなど(豚肉または牛肉)、全国区の定番料理と言えども、やはり地域性があるのが「和食」らしさなのかもしれません。

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「ご当地グルメの家庭料理」

特定の地域内には定着している、地元の人気料理のこと。地元食材を使用していることはあっても、農山漁村の風土とのつながりが薄く、歴史の浅いものが多い。よって、土地特有の料理とは言え、郷土料理とは異なります。地域活性化を目的に生まれる料理が多いものの、家庭料理としてしっかり浸透しているものも多数あり。なお、毎年恒例の「B-1グランプリ」の名を思い出す方も多いでしょうが、「B」は地域ブランドの「B」であり、決してB級品ではありませんのでお間違えなく。

 

実takoyaki[大阪]
たこ焼き
その原型は昭和8年、大阪の「会津屋」が売り始めた「ラヂオ焼」。見た目はたこ焼き、具は肉やコンニャクなど。そして昭和10年、もっと美味しい大人の味にしたいと改良して生まれたのが「たこ焼き」です。たこ焼きとはソースをつけない、手も汚さない、冷めても美味しいのが本物だとか(会津屋)。現在、大阪では、たこ焼き器は"1家に1台"に迫る程の高い普及率

 

実yakisoba[静岡]
富士宮やきそば
専用麺を用い、具には肉かす(ラードを絞った後のものを揚げたもの)を入れる、トッピングにはイワシの削り粉を振りかけるなど、個性的な焼きそば。もともと地元では昔から食べていたもので、2000年頃から、地域活性化を目的に「富士宮やきそば」と名付けられる。

 

実chicken_katsu[宮崎]
チキン南蛮
延岡市発祥。そのルーツはかつて延岡市内にあった洋食店「ロンドン」のまかない料理が原型だと言われている。この店で修業していた2人のシェフが独立し、全国的に有名な「タルタルソースをかけたチキン南蛮」と「甘酢ダレだけで味わうチキン南蛮」をそれぞれ生み出した

 

 

「洋食・その他」

三大洋食とは「ライスカレー、コロッケ、とんかつ」と言われていますが、明治から大正にかけて、続々と色んな「洋食」が生まれました。海外の料理にヒントを得た、日本の料理。そして、どの料理も基本的に米飯と合うように作られています。主食・ご飯への執着を忘れない、実は洋食も日本的だと言えるのです。

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各地のふるさとの味をもっと知りたいなら

農山漁村の郷土料理百選

2007年、農林水産省が全国各地の農山漁村で脈々と受け継がれてきた「食べてみたい!食べさせたい!ふるさとの味」を、国民人気投票や選定委員による議論を経て「郷土料理百選」として選定。このページで紹介している郷土料理、ご当地グルメ(「御当地人気料理特選」として併せて選定された)も選定料理です。郷土料理にまつわるイベントも様々行っていますので、HPをぜひチェックしてみてください
http://www.rdpc.or.jp/kyoudoryouri100/

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